7月と9月では着ることができる浴衣の柄が違うこと、知っていますか?
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■浴衣はもともと室内着
浴衣は本来、蒸し風呂で着る着衣でした。そのうち部屋着になり、いまでは花火大会や夏のイベントなど、お出かけ着としても着られるようになりました。
浴衣が外出着として着られはじめた当初、着物業界ではそのことに違和感を覚えていました。「部屋着で外出するなんて! 」と。
■現代では業界をあげて浴衣カルチャーを応援
やがて外出用の華やかな色柄の浴衣が登場し、胸元や帯まわりに振袖と同じようなオシャレな飾りをつけるようになると、浴衣はいっきに夏の必須アイテムに。
着物業界としても、厳しいルールに縛られて着物を着る人が減ってしまうより、時代に合わせて楽しんでもらいたい思いがあるため、いまでは専門家の人も、浴衣を着る時期や場所に関しては、細かなルールはないとおっしゃる方がほとんどです。
つまり、基本的には、浴衣は細かなルールにとられわることなく選んで良いのです。
とはいえ、浴衣といっても着物は着物。柄を選ぶとき、着物の心得を少しだけ気にすることで、目上の人からも一目おかれる、大人の着こなしになります。
■柄が持つ意味を理解して着こなそう
着物の柄は、「季節の先取り」が基本です。夏の花であれば、その花が咲く少し前から咲いている時期までが着用シーズンで、散る頃にはもう着ない、ということ。
たとえば、夏の代表花「ひまわり」の柄なら、7月頃からお盆、せいぜい8月いっぱいまでで、9月になっても着ているのはナンセンス、ということになります。いまは9月中旬まで浴衣を着るシーンがあるので、せっかくならひと夏いつでも着られるよう、3つのポイントをおさえた柄選びがベターです。
1. 時期がふんわりしている柄...... 格子、水玉、うさぎ、架空の花、洋花など
2. 秋を連想させる柄...... トンボ、ススキなど
3. 通年着ても良いとされる柄...... 桜、松竹梅、菊など
一着しか買わないときは上記の柄が役に立ちますが、何着も買うときは、夏の前半用は朝顔など、後半用はトンボなどに分けて、あえて季節を意識した柄選びをするのも粋です。
見た目のかわいさだけでなく、着物文化に触れたうえで、お気に入りの一着を選ぶ。それがオトナの浴衣美人です。
kimono image via Shutterstock
(Ricky)