そこで、西麻布の日本料理店で、気軽に利用するために知っておきたいマナーを教えていただきました。
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■旬や献立のストーリーを楽しめるのが、大人の食事
教えてくださったのは、三ツ星料亭で修行を積み、若干27歳で奥さまとふたりで西麻布に「伊勢 すえよし」をオープンさせた料理人、田中佑樹さん。
「割烹や日本料理店はお父さん世代の男性が、商談がてら利用するお店のような印象があるかもしれませんが、料理の内容や使う食材がとてもヘルシーなので、じつは女性にもお薦めなのです。たとえば、『お食事に季節の物語を添える端午八寸』という前菜は、粽寿司や空豆、よもぎを使った胡麻豆腐など、その季節が旬の、カラダがよろこぶ食材を選んでいます。」
水無月の八寸
前菜ひとつに「季節の物語」が込められているなんて、素敵すぎます! いままでのただ美味しいから食べることを卒業して、食材の旬や、その献立の成り立ちを感じながら食事をする、いいキッカケになりそうです。
■女性がついやってしまうお食事マナー違反
田中さんのお店ではとくに厳しいルールはなく、女子会も大歓迎だそうですが、最低限のマナーとして、コレだけは守ってほしいという点がひとつ、あるとのこと。
「それは、香水をお控えいただきたい、ということです。 お料理の香りも美味しさを演出する大切な要素ですので、おひとりでも香水の香りが強いと、ほかのお客様の楽しみまで奪ってしまいかねません」
逆に「この人、分かってるな」と思うお客様は、 「お料理を召し上がった後に残った魚の小骨や楊枝などの食べられないものを器の端に寄せ、葉っぱなどの飾りで覆う人」 だそう。日本料理の美学を分かっていらっしゃるな、と感心してしまうそうです。
日本料理では、見たことのない食材が出たり、食べかたが分からないときがありますが、そんなときは「これは何?」、「どうやって食べるの?」と遠慮なく聞いてよいのだとか。
田中さんも、「日本料理を通して、食材や日本のことをより深く知ってもらえることが何よりもうれしいです」 とおっしゃっていますので、あまり気負わずに、いちど日本料理店ののれんをくぐってみては? 毎日は難しいですが、たまに趣のある場に行き、食べることと真剣に向き合うことで自分の心を磨くことは、大人の女性の嗜みのひとつだと思いました。
[伊勢 すえよし]
glass of wine image via Shutterstock