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年収は最低でも600万ないと無理。でも、結婚したい。

2017/12/04 18:00 投稿

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婚活をしていたら、避けて通れないのが「年収」の話。

「年収? そんなに高望みしないよー400万ぐらいあればいいよー」という「年収は高いといいけどそこまで求めてない女子」(平均年収は371万なので400万は高いほうなのですが)がいる一方、「最低でも年収600万、希望は800万!」「年収1千万以上じゃないと無理!」という、平均年収より数百万以上高い年収を望む女性もいます。

なぜ高年収を望むのか

彼女たちが高年収男性との結婚を求める理由はさまざまです。

「独身時代の生活水準を落としたくない」

「生活水準をもっと上げたい」

「仕事を辞めたい」

「うちはお母さんが働いていてさびしかったから、専業主婦になって家にいてあげたい」

「子どもの教育に投資したい。英語コンプレックスが強いから、留学させてあげたい」

「私も働くつもりだけど、出産のときはどうしても仕事を休むから、やっぱりある程度は年収がないと厳しい」

「お金がない状態が怖いから、非正規の人は不安」

「自分が非正規の仕事で、いつ仕事がなくなるか不安で安定しないから、相手には安定した年収を求めたい」

「保活が厳しいと聞いてるから、万が一のことを考えて年収は高いほうがいい」

「ぶっちゃけ、友だちに羨ましがられたい。自分のほうが良い暮らしをしたい」

彼女たちにとって、高年収を求めるのにはれっきとした理由があります。

現在の不満・不安を解消するため、あるいは将来にやりたいことを叶えるため、結婚相手の経済力が必要だと考えているのです。

「わかるわかる」「私も同じことが不安なんだ」「やっぱりお金は必要だよね」と共感を覚える未婚女性はいるでしょう。

「高望み」「現実を見ろ」「男はATMなんでしょ?」

一方で、男性たちや既婚陣の反応は辛口です。

「贅沢を望みすぎなんじゃない?」

「現実を理解してないんじゃない? 未婚男性の平均年収は20代後半で370万、30代前半で430万なんだよ?」

「男を人間扱いせずATM扱いしてるよね?」

「そんなに高い年収を望まなくても、うちは夫の年収400万だけど普通に生活できてるよ?」

高年収を希望する女性 = 現実を知らない世間知らず、贅沢を望んでいる強欲な人間、男性を人間扱いしていないイヤな人間と思っている人が多いのもまた事実。

高収入の男性じゃないとイヤ。でも、結婚したい。

このような批判を受け、高年収を望む女性は「自分が高年収男性と結婚したい理由」と「まわりからの批判」の間で揺れ動きます。

自分の理想を叶えたい。不安から解放されたい。

一方で、あまりに高い年収を望みすぎると、自分の理想が叶わないリスクがあるから、それは避けたい。

「男性をATM扱いしている」と見られるのはイヤ。でも、妥協しすぎて後悔するのもイヤ。

複数の希望が絡み合って複雑になると先が見えず不安になります。婚活が長引くと不安はさらに加速します。

相手が高年収じゃないと、本当に理想は叶わない?

私としては「高年収の人と結婚したい」という希望自体はとくに問題ないと思います。

ただし、ターゲットの数が少ない = 競争率が高い = 失敗する確率が高いという「リスク」はきっちり認識すべきだし、「何回も失敗するだろう。最悪、望みが叶わないかもしれない。それでも挑戦する」という覚悟も必要です。

一方で、「このハードな競争に参加する必要がそもそもあるのか」を検討してみてもいいと思います。

彼女たちが高年収男性を希望している理由を聞いていると「高年収の男性と結婚しなくても理想が叶うのでは?」と思うことが少なくありません。

彼女たちが「パートナーの経済力を必要としている理由」を、求めているもの別にまとめてみます。

1. 現状の不満から逃れるために、経済力が必要

・仕事を辞めたいけど、働いている不満
・生活水準を上げたいけど、現状はお金が足りない不満

2. 将来のやりたいことのために、経済力が必要

・贅沢な暮らしをしたい
・子どもの教育に投資したい
・子どもに寂しい思いをさせたくないから、専業主婦になりたい

3. 自己実現のために、経済力が必要

・まわりから羨ましがられたい
・親から認められたい

4. 将来の不安から逃れるために、経済力が必要

・お金がない状態になる不安
・非正規で、仕事がなくなるかもしれない不安
・出産で年収が下がる不安
・保活など社会情勢への不安

たとえば、1「現状に不満」は、「仕事を変える」「不労所得を得る」「自分の年収を上げる」といった解決策があります。

2は、1「やりたくないことから逃れる」のと逆で、「やりたいことのために経済力が必要」というタイプ。

こちらも1と同様に、経済力が必須なのか、自分や周囲の援助で実現できるかどうか、という視点で見ると、別に「パートナーの経済力」以外にも解決する方法はあります。

「子どもに寂しい思いをさせたくない」「留学させたい」というと「子ども主体」に聞こえますが、これは「子どもが過去の自分と同じように寂しいと感じるはずだ」という前提に基づいています。

しかし、子どもは親と別の人格なので、同じように感じるとは限りません。(子どもが留学や親が家にずっといるのを望んだとき、実現できるだけの経済力を持っておきたい、というのならわかります)

3はもはや経済力の問題ではなく「承認欲求」の問題です。

承認欲求の問題は根深いので「自分でどうにかできるか考えて実行」といきませんが、ひとつ言えるのは「自分の承認欲求を他人で埋めようとしても、たいていはうまくいかない」ということです。

パートナーの経済力は一時しのぎにはなるでしょうが解決策ではないので、渇望からは逃れられません。

4は、誰にもわからない未来の話です。

「リスクを低くしたい」「いざというときのために余裕を持ちたい」と思う慎重さは大事ですが、不安を軽減したいなら「男性の経済力」というひとつだけの解決策に頼るのはリスキーです。

未来のことがわからないのは男性も同じです。高収入の男性と結婚しても、その人が事故に会って就労不能になったり、会社が倒産する可能性だってあります。

不安を軽減したいなら、ひとつの解決策に頼らず、複数の解決策を用意するほうが安全です。

このように、「高収入男性と結婚したい理由」をよく見ていくと「別に高収入男性との結婚じゃなくても実現できるのでは?」「別の方法も一緒に考えたほうがいいのでは?」「前提や問題設定が間違ってるのでは?」というケースは少なくありません。

自分の求めているものを自覚する。求めているものを叶えるために必要な手段を全部検討する。

このふたつは、ハードモード婚活にトライする女性にはぜひ試していただきたいです。

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撮影(トップ、5枚目)/出川光 撮影(2、3、4枚目)/田所瑞穂 文/ぱぷりこ



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