先月23日に行われたニュージーランドの総選挙では、与党・国民党と、これに対する労働党と緑の党による野党連合のどちらもが、政権成立に必要な過半数の議席に届かなかった。しかし、連立政権のカギを握ることになったポピュリスト小政党のニュージーランド・ファースト党がアーダーン氏支持にまわったことで、9年ぶりの政権交代となった。
アーダーン氏支持を表明したファースト党のウィンストン・ピータース党首は「資本主義が人間の顔を取り戻すときが来た」と語った。
カリスマ性と若さで注目を浴びているアーダーン氏は、7月に労働党史上最年少の党首に就任したばかり。このときには党の支持者の間で「ジャシンダマニア」現象と呼ばれるブームが起きた。
一方、新党首になるとメディアから相次いで、子どもを持つ気はあるかと質問され、男性の政治家だったらそんな質問を受けることはないと述べて、そうしたメディアの姿勢を非難し話題となった。
同僚の人物評は「ものすごい集中力の持ち主」。慣習にとらわれず、ニュージーランドの政界に風穴を開けてきた。総選挙期間中は、子どもの貧困問題の解決や環境マネジメント、手ごろな住宅の必要性などに焦点を当て、ニュージーランドでは珍しい声高な訴えで選挙戦を繰り広げた。
首相就任の道筋が見えた19日にアーダーン氏は、環境保護に取り組みながら「すべてのニュージーランド人」のためになる経済を築くことは可能だ、と信念を語った。
ニュージーランド労働党は、女性首相のヘレン・クラーク氏が党首だった2008年の総選挙で敗北して以来、5人の党首が入れ替わったが、このうち誰一人として好景気に支えられた国民党の人気を切り崩すことができなかった。しかし、変革を掲げるアーダーン氏の若いエネルギーで労働党は活力を得て、新しい支持層を引き付けている。
© 2017 The New York Times News Service
[原文:Jacinda Ardern, 37, Will Be New Zealand's Youngest Prime Minister/Charlotte Graham]
(翻訳:Tomoko.A)
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