はじめは寂しさを感じていたひとりの時間が、いつの間にかラクだと感じるようになった。
とにかく誰にも邪魔されず、ひとりになれるところへ行きたい──。
そんな気持ちが高まって、ひとり旅に出ることにした。
ノープランでひとり旅。台湾・高雄へ行ってきた行き先は台湾・高雄。
まだ行ったことがなかったし、週末を使って行ける距離、言葉が通じないところ。ひとりを感じるにはぴったりの場所が、高雄だった。
はじめての台湾、はじめての海外ひとり旅...。だけど、見事にノープラン。
「スマホとパスポートがあれば、どうにかなるでしょ」って軽い気持ちで家を出たけど、空港に着いたら少し不安になってきた。
そんなときにグローバルWiFiの受け取りカウンターで見つけたのが、音声翻訳デバイスの「ili(イリー)」。
イリーはボタンを押しながら話しかけると、言葉を翻訳してくれるという便利な機械。
必要最低限の会話はできたほうがいいかも...と、Wi-Fiと一緒にレンタルすることにした。海外ひとり旅は、できるだけ安心材料を多く持っていたいというのが本音でもある。
朝ごはんでしあわせになれた。高雄で人気の「果貿來來豆漿」台湾に降り立つと、梅雨の真っ只中。まるでサウナのような熱気が、私を歓迎してくれた。
ふと、台湾へ旅行したという友だちが話していた、台湾の朝ごはん事情を思い出す。台湾では、朝ごはんは外で食べるのが基本で、ほとんど家では食べないのだそう。
郷に入れば郷に従え。さっそく朝ごはんを食べに出かけることにした。
向かったのは、高雄でも人気の朝ごはん屋さん「果貿來來豆漿(ガォマォライライトウジャン)」。
休日の朝7時という早い時間にもかかわらず、お店は地元の人でにぎわっている。
「果貿來來豆漿」は、トレーを持って自分の食べたいものをどんどん選んでいくスタイル。大学のカフェテリアのよう。
見よう見真似でトレーを持って列に加わり食べたいものをとっていく。本当に休日の朝なの? と思えるくらい、店内は人でいっぱい。相席をするしかなさそう...。
勇気を出して「ここに座ってもいい?」ってイリーで話しかけてみる。
おじさんはオッケーサインを出してくれた。朝ごはんを食べながら、話しかけてみる。
どんな質問にも答えてくれるおじさん。言葉の意味はわからないけど身振り手振りを交えて、そつなく会話はできた。
よく「だれかと一緒にごはんを食べると、しあわせを感じられる」って聞くけど、その通りかもしれない。朝ごはんがやけにおいしく感じられた。
どうやらおじさんは、この近くに住んでいて、お店にはよく来るよう。おすすめの場所を聞いてみると、「旗津」という島を教えてくれた。
西子湾からフェリーで5分。レトロな街並みが広がる旗津半島へ行きたいと思った場所に気軽に行けるのが、ノープランひとり旅の醍醐味。私は、おじさんが教えてくれた旗津という島へ向かってみることにした。
旗津には、西子湾からフェリーに乗って5分ほど。あっという間に到着する。
沖縄のようでもあるし、日本の漁港のようでもあるけど、やっぱりちがう。ここは台湾。見るものすべてが新鮮で、もっと知りたいという気持ちがむくむく湧きあがる。
果物屋さんにも、東京ではなかなか見られない南国フルーツがいっぱい。
鮮やかなフルーツと、店番をしながらお昼ごはんを食べるお母さん。きっとここでは見慣れた光景なんだろうけど、そんなシーンすら新しくて愛おしく感じた。
「お母さんの写真を撮ってもいい?」と、イリーで声をかけてみる。「えっ? 私の写真?」と言いたげな顔で、目を丸くしながらピースしてくれた。
ひとりになりたい、という気持ちから旅に出たけど、気がついたら人と関わるのが楽しくなっていた。
大きな通りよりもリアルな生活が見られる裏通り、タクシーや自転車よりも地元とじっくりと向き合える徒歩...。いつの間にか人と触れ合える場所や手段を選んでいる自分がいた。
私ってこんな一面あったんだ──。
そう感じられたのは、好奇心をかき立てられるもの、やさしい人たち、それとイリーがあったから。
台湾を思いっきり満喫して帰路についた。
成田から自宅までの帰り道、いつもならイヤホンで周りの音をシャットダウンしてスマホに視線を落とすところだけど、今日は周りの光景や音を意識してみる。
「もうすぐ着くよ」って電話をかけるサラリーマン。手をつないで歩く親子...。
東京もこんなに微笑ましいシーンであふれてたんだ。自分で自分の世界をせばめて、生きづらくしていたことに気づいた。
明日からまたいつもの生活が始まる。いつもなら「ダルいなぁ」と感じる月曜日を、楽しみにしている自分がいた。
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