ましてスカートをはいた男性がいたら、少し変わった人と見られてしまいます。
が、「THOM BROWNE(トム・ブラウン)」がパリで開いた2018年メンズ春夏コレクションでは、スカートやハイヒールを取り入れたルックが前面に打ち出されていました。
男子だってヒールもスカートもはく時代Thom Browneさん(@thombrowneny)がシェアした投稿 - 2017 6月 28 3:01午後 PDT
Thom Browneさん(@thombrowneny)がシェアした投稿 - 2017 6月 27 12:26午前 PDT
どれもアヴァンギャルド。会社にこんなスタイルで来る男子がいたら驚くかもしれません。
でも、しっかりした仕立てで色味もおさえめなせいか、見慣れればこれもあり、という気がしてきます。
Thom Browneさん(@thombrowneny)がシェアした投稿 - 2017 6月 26 12:28午前 PDT
Thom Browneさん(@thombrowneny)がシェアした投稿 - 2017 6月 26 5:40午前 PDT
ショーのフィナーレでは、前から見るとタキシード、後ろから見るとウェディングドレスという服が登場し、会場を沸かせたそう。
林燕妮さん(@oopslyynnn)がシェアした投稿 - 2017 6月 30 6:23午前 PDT
giovanni giannoniさん(@giovanni_giannoni_photo)がシェアした投稿 - 2017 6月 30 11:17午前 PDT
実際、誰かが着るのかどうかは別として、メンズウェアとレディスウェアを融合し、今回のコレクションを象徴するものとなりました。
「女性らしさ」「男性らしさ」に疑問を投げかけたデザイナーThom Browneさん(@thombrowneny)がシェアした投稿 - 2017 6月 25 9:24午前 PDT
メンズとレディスの境界のない世界を象徴するものがもうひとつ、このショーのランウェイにありました。小さな金のベビー靴です
これは、ベビー靴を金めっきして保存・ディスプレイするというトム・ブラウンの家族の伝統に由来しているそう。なぜベビー靴なのか、トム・ブラウン本人は「New York Times」でこう語っています。
私は、人間が最初は(注:男女ともに)ほとんど同じ服を着て、いかに同じであるかを考えていました。その後、変わっていくのです。
つまりトム・ブラウンは、人間が服を着る原点に立ち返って、どうして女性らしい服、または男性らしい服を着るようになっていくのか、を考えるようにヒントをくれているんですね。
既存の「女性らしさ」「男性らしさ」に疑問を投げかけたデザイナーは、トム・ブラウンが初めてではありません。1984年、「Jean Paul Gaultier(ジャン=ポール・ゴルチエ)」は男性向けスカートを発表しています。
さらに長い歴史を振り返ると、たとえば17世紀のヨーロッパ貴族の間では男性のハイヒールが流行していたそう。とくに、身長が低めだったフランスのルイ14世は10cmヒールを愛用し、ソールとヒールが赤い靴を好んでいたのだとか。
スカートに関しても、スコットランドのキルトは有名だし、考えてみれば和服もユニセックスのワンピースみたいなものです。
「男性はパンツを履いて、靴のヒールは低くて」というのは、たまたま過去200年くらいの西洋社会でコンセンサスになってきただけ。
「当たり前」はどんどん変わっていくトム・ブラウンのショーと同じころ、イギリスの中学校でも男子生徒数十人がスカートをはいていました。
それは「男子は夏でも長いパンツをはくこと」という校則に対する抗議活動の一環。イギリスではこの6月、1976年以来の暑い夏になっているそうで、そんな日には、パンツよりスカートのほうがラクなのはたしか。
いまは「スカートやハイヒールは女性のもの」が当たり前のように思われているけれど、そんな「当たり前」も、時代とともに変わっていくのかもしれません。
写真/gettyimages
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