コートみたいな大物から、帽子やマフラーのポイントに、バッグのチャームになどなど、いろんなアイテムでその風合いが重宝されています。
コートも小物も「今後ファー製品を取り扱わない」と宣言そんななか、大手オンラインショップの「Net-a-Porter」を運営する「Yoox Net-a-Porter」グループ(以下、YOOX)が、「今後ファー製品を取り扱わない」という宣言をしました。
YOOXが運営する4つのオンラインストアすべて、つまり「Net-a-Porter」「Mr Porter」「YOOX」「The Outnet」では、これからファーが全体に使われたコートやマフラーなどはもちろん、部分的にファーがプラスされているだけのアイテムも取り扱わなくなるとのこと。
「CR Fashionbook」によれば、「YOOX Net-a-Porter」グループが動物保護団体「Fur Free Alliance」のファー不使用プログラムに参加したことと同時に発表されたそう。この件について、YOOXのサステナビリティ責任者、Matteo James Moroni氏はこう語っています。
私たちは強い責任感を感じ、社会に対しポジティヴな貢献をすることの大切さを認識しています。
幅広いイニシアチヴやパートナーシップ、イノベーションによって、私たちは業界全体の変化に向けた触媒として動くことを目指しています。
たしかにここ何年も「ファーって動物保護の観点でどうなの?」という問いかけはいろんなところで目立つようになっていました。
たとえば、ファー好きで知られる米「VOGUE」編集長のアナ・ウィンターは、レストランで食事中、突然入ってきた活動家にアライグマの死体を突きつけられたことがあります。それは1996年のできごとでした。
ファー不使用はもう珍しいことじゃない。ステラもラルフもアルマーニも2017年になったいま、いろんな情報が入手しやすくなるとともに、自然環境に対する意識が高まって、ファー反対は20年前のように極端な思想とは見なされなくなってきています。また、フェイクファーの技術も格段に良くなり、見た目も風合いもリアルなファーと遜色ないものが出てきています。
ステラマッカートニーのフェイクファー
長年ファーもレザーも一切使わないことにしてきたステラマッカートニーのフェイクファーコートなんて本当にかわいいいし、最近ではラルフローレンやアルマーニもファー不使用を宣言しています。
動物保護団体「Humane Society」が作成したリストによれば、じつはいま、世界で合わせて約300ものブランドやショップがもうファーを使わないことを表明しているそうです。
売り上げが減ってしまうことも考えられるけれど、ファー廃止を決断とはいえNet-a-Porterは幅広いファッションアイテムを扱う百貨店のようなものなので、消費者としてはあるカテゴリの製品がごっそりなくなると不便なこともあるかもしれません。それに、ファー製品は高価なものが多いので、扱わなくなればその分売り上げが減ってしまうことも考えられます。
それでもYOOXは、グループとして信じるものを優先して、ファー製品取扱廃止を決めたのです。
いろいろな情報が入ってきて、洋服や小物ひとつとってもそれがどんな風に作られているのか、どんなところから来ているのか、知る気がなくても知れてしまういまの時代。
何かを買うときには、それが自分の好みや予算に合うかということだけでなく、それが完成するまでの過程が自分の価値観に合うかどうかという軸も持たざるをえなくなりつつあります。
ただ、ファー反対が正義というわけではなくて、どんなものなら買っていいのか、買うべきでないのかはひとりひとりが考えること。
私もこう書いてはいるものの、去年の冬にファー付きダウンやら帽子やらを買い込んでしまって、あれは良かったのかどうか、といまさら迷っています。こんな自分なので余計に「ファーは取り扱わない」と決断したYOOXの勇気はすごいな、と感じています。
[CR Fashionbook, Humane Society]
写真/gettyimages
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