POPなファッションスタイルがモード誌で取り上げたれたり、クリスティン・スチュワートと仲良く手つなぎデートをしてゴシップ誌を賑わしたりと、その動向が注目されているのが、フランス、ボルドー生まれのSoko(ソーコ)。

ミュージシャンや女優として幅広い活動を続け、昨年には、国際女性デーにあわせて公開されたマドンナのショートフィルムにも出演するなど、さらなるブレイクが期待できる "it" ガールです。

そのSokoが、主演する映画『ザ・ダンサー』のプロモーションで来日。本人にインタビューをする機会を得ました。

新時代を切り開いた女性ダンサーの実話

2017年6月3日(土)から公開になる映画『ザ・ダンサー』は、19世紀から20世紀にかけて活躍したモダンダンスの祖、ロイ・フラーの人生に迫る伝記的ストーリー。

まだ女性によるダンスが卑しいものとされた時代に、ロイは、シルクの布をまとい、棒をつかって花のように舞い、鏡を用いた新しいダンスを創作して一世を風靡しました。

ドレスや照明にもこだわり、演出家としてもダンスの新たな時代を切り開き、ロートレックやロダンなど時代を代表する芸術家のミューズにもなった人物です。

そのロイを演じたのが、Soko。

ダンスの練習を重ね、劇中では完全にロイになりきり、観るものを魅了します。

また、ロイが見出したダンサーのイサドラ・ダンカン役は、ジョニー・デップとヴァネッサ・パラディの愛娘であるリリー=ローズ・デップが演じています。

さらに、バレエの殿堂「パリ・オペラ座」での撮影を実現したり、第69回カンヌ映画祭「ある視点部門」に正式出品され、フランス版アカデミー賞であるセザール賞では6部門にノミネートされるなど、話題もたっぷりな映画です。

1日が終わると疲れきって誰にも会いたくなかった

Sokoにロイになるための役作りについて聞いてみると、

「ロイ・フラーは、とても豊かな人生を送った人なので、彼女になりきるためには、表面的なアプローチだけでは難しくて、肉体的な方面からもアプローチしないといけませんでした。

トレーニングするにつれて、汗をかいたときの衣装の匂いが自分の第2の皮膚のようになったり、疲れきってもアドレナリンが出て、もっともっとやりたいと中毒のようになったり。そんなふうにダンサーの訓練を通じて、徐々に彼女の人生に近づきながら、自分のものにしていきました。ロイの感情的な面を理解していったのは、そのあと。

1日が終わると疲れきって誰にも会いたくない、話したくもない、筋肉痛で動くこともできない、でもまた練習に行かないといけない...。そうやって、ロイの身体のなかに入り込むようにして役作りをしていきました」

ベル・エポックの時代に女性として勇気と才能をもって時代を切り開いたロイ・フラー。まさにマルチな活躍をするSokoにぴったりな役。

Sokoは、唯一無二の存在で、世界に共通する女優

この作品を手がけたステファニー・ディ・ジュースト監督は、なぜ、Sokoを起用したのでしょうか。

「いつもロイについて感動するのは、力強さと繊細さを併せ持っている、その二面性です。生まれた環境も肉体的にもダンサーには向いていないのに、熱意と努力によって、大西洋を渡ってダンスを発明し、舞台芸術に革命を起こしました。ロイはハンデを魔法に変えたんです。

Sokoは、唯一無二の存在で、フランスの女優ではなく、世界に共通する女優だと思っています。独特な女性らしさと官能性があって、それはほかの女優とは一線を画する魅力でもあります。さらに、彼女が持っているパンクな一面を役柄に投影してほしかったし、映画にエネルギーをもらたしてくれることも重要でした。女優として実力はありますが、それだけではなくアーティストとして、歌手、作曲、パフォーマンスをする彼女だからこそ、ロイの役柄の間に会話ができあがり、新しい効果が生まれたんです」

監督が感じていたのは、役になる前のSoko自身の魅力でした。

死んでしまう日までピーターパン症候群の子どもでいたい

肩書きやジャンルの枠を超えてクリエイションに挑むSoko。

メディアが見せる彼女は、キュートでポップで華やか。元気でアヴァンギャルドな印象もありますが実際に話を聞いてみると、そのファッションにも理由がありました。

「私はカラフルな色を身につけることで自分の気持ちを引き上げています。まるで10歳の子どものような洋服を着ていますし、死んでしまう日までピーターパン症候群の子どもでいたいと思っています。

子どもは、いろんなことをするのが初めてだから興味があふれていて、毎日新しいことを発見します。でも、大人になると、これをやったら辛いからやらない、ってどんどん壁を作ってしまう。私は、それを壊してしまいたいと思っています。

クリエイションに関していうと、音楽の創作活動に集中しているときは、自分の部屋に閉じこもり、完全に外の世界とはコンタクトを断ちます。クリエイターとしての私は、自己破壊的な面もあって、創作は苦しいですが、頭のなかにあるいろんな考えが現実できたときには、よろこびがあります。

また、私は、5歳のときに父を亡くし、そのときにすでに死について意識しました。と、同時に人生について時間の大切さを考えるようになりました。夢を実現するために一秒も無駄にしたくないんです。日々の生活をクリエイティビティと夢で満たして暮らしていきたいと思っていますし、毎日がいままでで一番いい日になるように心がけて過ごしています。

自分の大切な人生を生きたいので、他人の視線は気にしたくないですね」

強烈に純粋な人間性と死を身近に感じているSoko。ポップなファッションとピュアな内面生が、彼女を前にすると一瞬にして伝わってきました。

シンガー、女優、モデルなど自分の存在を証明するためには全部必要

「力強さと繊細さを併せ持っている」というロイの魅力がそのまま重なるSoko。

いまの時代に求められるアイコンとして、マドンナも絶賛する才能を持つ彼女は、ひとりの女性としてどう生きていきたいのか? と聞いてみると、その答えを用意していたかのように饒舌に語り始めました。

「私がなりたい女性とは、強さと弱さを併せ持っている人、感情を表現できる人、無理ですと言える人、自分の限界を知っている人、違いを恐れない人、他人からの視線を恐れない人、自分の存在について言い訳をしない人、自分自身の女性としての人生を生き、自分のセクシャリティやクリエイティビティなどを受け入れることができる人、最後にいろんな色を身につけて楽しく生きる人。

理想の男性はフェミニストで、自分が弱いということを恐れない人。でも、そんな人はあまりいないけどね(笑)」

ロイ・フラーのように新しい時代を切り開いていっているSoko。

「私にとって、シンガー、女優、モデルなど自分の存在を証明するためには全部必要なんです。それって食事や睡眠や呼吸のどれかを選べってことと一緒でしょ」

とキュートな笑顔で応える彼女。型にはまらない魅力で、これからも世界をあっと驚かし続けてくれるはず。

ザ・ダンサー』 

監督:ステファニー・ディ・ジュースト

出演:ソーコ(「博士と私の危険な関係」)、リリー=ローズ・デップ(「Mr.タスク」)、ギャスパー・ウリエル(「たかが世界の終わり」)

原題:La Danseuse/2016年/フランス・ベルギー/仏語・英語/108分

配給:コムストック・グループ/配給協力:キノフィルムズ

6月3日(土)新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座、Bunkamuraル・シネマほか全国公開

© 2016 LES PRODUCTIONS DU TRESOR - WILD BUNCH - ORANGE STUDIO - LES FILMS DU FLEUVE - SIRENA FILM

撮影(トップ)/柳原久子

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