一日のなかで仕事が占める割合が高いからこそ、いい気分で仕事がしたい。やる気を高める方法を探していたら、自分なりの「パワーアイテム」で仕事モードを加速させている人が多いことに気がつきました。
彼女たちの共通点は、オンオフの切り替えが上手で、内面は熱いのに自然体で、さらっとすごいことをやってのけていること。
そんな女性たちに、モチベーションを上げる「パワーアイテム」を教えてもらいました。
やる気スイッチオン。気持ちを奮い立たせるマストアイテムプライベートなアイテムを見せてくれたのは、いつも新しい刺激をくれる6人の女性たち。
なぜこのアイテムなのか?──というエピソードには、参考にしたいアイディアがつまっていました。
左:「ペリカンの万年筆」諫山由梨子さん/編集者
独立したときに母が贈ってくれたペリカンの万年筆とロイヤルブルーのボトルインク。デジタルな時代だからこそ御礼状やお葉書は心を込めて手書きで伝えることを大切にしています。母が万年筆を使っているのを見ていてずっと憧れていました。はじめは書き慣れなかったけれど、使えば使うほどに自分のものになってゆき、書き心地のよい唯一無二の存在に。
独立してからは一層、人とのご縁があってこそこうして仕事をいただけているので、その感謝と"お陰様"という初心を思い出させてくれる、原点となる大切なアイテムです。
右:「THREEのネイルポリッシュ」ニシクボサユリさん/イラストレーター
イラストやデザインの仕事は、できあがるまでは非常に地味な作業で、いつも、ラジオや音楽を聞きながら黙々と描いています。また、私の絵はモノクロが多いので、色のない世界。だからこそ、ネイルのカラーが視界に入ることでテンションが上がりハッピーな気持ちになります。いまよく塗る色は、幸運が舞い込んできそうなイエローと、ものすごくポップな気持ちになれるキッチュピンク。THREEのネイルポリッシュは使い心地がやさしく爪が傷みにくいので、これしか使わなくなるぐらいお気に入りです。
左:「自分でデザインしたルビーのリング」行方久子さん/ブランディングディレクター
プライベートジュエラーで、誕生石でもあるルビーを見つけたとき、それまではまったくと言っていいほど興味がなかったルビーに呼ばれているような気がしました。自分が生まれる随分前から存在していたことを考えると、地球の偉大さを感じ、偶然の出会いにノスタルジックな気持ちになります。
ここぞというプレゼンの日などに身につけると、強さと女性らしさを上げてくれるような気分になり、気持ちが引き締まります。
右:「Boseのノイズキャンセリング機能搭載のイヤホン」菊乃さん/デザイナー・モデル
移動中や仕事でパソコン作業をするときは必ず音楽を聴くので、イヤホンはマストです。どんなときでも自分の気持ちを常に上げてくれるのは音楽。とくに文章を書くときは、カフェなど外にいることも多いので、イヤホンのクオリティにはこだわりたい。その時々のシーンにあわせて聴く曲をチョイスするのも楽しみのひとつ。仕事に対してのモチベーションをより上げてくれます。
左:「X JAPANのCD」出川光さん/フォトグラファー
現場に向かう途中、いつも聞いているのがX JAPAN。
誰のことも否定しないパワフルな音は今日に負けないやる気を作ってくれるし、歩くスピードにも丁度いいです。ライブのなかで有名な「We are X!」というコールアンドレスポンス(掛け声)があるのですが、自分がこの表現をやっているんだ! って全力で肯定しているようにも捉えられて元気がでます。
「自分はこれをやっています」って大声で叫べるってかっこいいなと思うし、私も仕事を続けて続けて、いつかはそんなふうに全力で自分を肯定できそうな気がしてきます。
右:「コットンの白シャツ」ぱぷりこさん/コラムニスト
執筆するのは家が多いです。家で仕事をするとなると、どうしてもリラックスした格好でやりがちなのですが、「仕事!」という気持ちに切り替わりにくいときや、筆圧が高まらないときは、コットンの白シャツを着ます。外資系企業に勤めているので服装規定がゆるく、「白シャツ」は自分にとってちょっと非日常なアイテム。妖怪男女の話を書いてるときに「心の結界」としていちばん効果がありそうな色、という理由もあります。
内容上、「筆圧」と「妖怪退散」が必須な自分にとってのお気に入りのアイテムです。
エピソードを聞いて感じたのは、彼女たちの自己分析力のすごさ。
「なりたい自分」といつも真剣に向き合っているから、パワーアイテムに出会えたときも「これだ!」と気がつける──。感度の高さは仕事力にも直結しています。
そして彼女たちが選んだパワーアイテムの共通点は、その人の体や感覚に直接影響を及ぼすものだということ。
聴く、見る、肌に触れる...。いつも身近にあって、感覚を通して気持ちを引き上げてくれるもの。
自分にとって、そんなパワーアイテムの条件を考えたとき、最初に思い浮かんだのは「下着」でした。
見せるためじゃない。「第2の勝負下着」は自分のためのパワーアイテム衣服のなかで、「下着」は素の自分にいちばん近い存在。
ブラやショーツはもちろんだけど、たとえばタイトなパンツスーツでインタビューにのぞむとき、スタイルを整えて気持ちを上げてくれるのが、ガードルです。
「勝負下着」という言葉は聞いたことがあるけれど、好きな人のためではなく、自分のためにはくガードルはいわば「第2の勝負下着」。
素肌にまとい、一日いっしょに過ごすものだから、パワーアイテムとしての影響力はかなりのもの。
働く女性にとっては、服を選んだり、メイクをしたりするのと同じように、ボディメイクはもはや仕事の一部です。出かける前に玄関の鏡で全身を確認して、きちんとしたシルエットになっていると、「今日もがんばれる!」と自信がわいてきます。
ランジェリーを入れた引き出しから、選びたくなるのはワコールのガードル。
体を締めつけるのではなく、皮ふ自体を上に引き上げてくれる感覚で、はきごこちが快適。はくときにガードルの布地をおなかとヒップに沿わせるようにすると、たるみが持ち上がって脚はすっきり、ヒップは上向きの女性らしいラインになれます。
うれしかったのは、インタビューの仕事で写真に写り込んだときに、ウエストラインが崩れていなかったこと。以前は「相手の話を聞くのに夢中すぎて、いつのまにかおなかがポッコリ」という悲劇をよくやらかしていました。
おなかを気にすることなく集中して取材にのぞめたのは、ガードルのおかげ。自然体でいられると、いい話を聞けるから、心配事を減らしてくれるガードルは、いざというときの頼もしい相棒です。
「第2の勝負下着」でオンオフの切り替えをスムースに朝、服のコーディネートを決めて、メイクして。髪を整えたら、ガードルの出番。
今回、モチベーションを上げるアイテムの取材をさせてもらったことで、私もガードルを意識的に身につけるようになりました。玄関のドアを開けるとき、「今日も一日、なにか面白いことがあるはず」とワクワクできるのは、パワーアイテムで気持ちが上がっている証拠かもしれません。
そして夜、家に帰ってガードルを脱げば、自然と仕事スイッチがオフに...。素の自分への切り替えもスムースです。
仕事が好きなあまり、つい家でもいろいろ考えてしまう。それはそれで悪くはないけれど、いい仕事をするためには、ちゃんと休息することも必要。
生活にメリハリをつけてくれる「第2の勝負下着」があれば、仕事だってもっとがんばれそうな気がしてきました。
※アイテムはすべて私物。
撮影(アイテム・ガードル)/中山実華 写真/gettyimages, Shutterstock, PIXTA
【参照サイト・画像・動画へのアクセスはこちら】