国連平和大使は、ほかに12人。レオナルド・ディカプリオやバイオリニストの五嶋みどりなど、各界を代表する人たちばかりです。
マララさんは史上最年少の19歳でそのなかに加わります。
命を狙われても負けないマララさん。声を上げ続ける理由とはマララさんはまだ11歳のころ、タリバンに支配された地域の厳しい生活の様子を、子どもの視点でBBCのブログにポストし注目を集めました。
タリバンは女子への教育を禁止していたので、マララさんは学校に通うだけでも身の危険を感じるほどだったそうですが、そんななかで教育の重要性をうったえ続けたのです。
2014年に17歳でノーベル平和賞を受賞するまでにも、危険とはつねに隣り合わせ。2012年、15歳のときには過激派から銃で撃たれて重傷を負ったこともありました。
命を狙われても負けないマララさん。なぜそこまで声を上げ続けることができるのでしょうか?
国連平和大使就任式のあと、質問に答えたマララさんの言葉にそのヒントがありました。
聴衆の若者からの質問を受け、ユスフザイさんは自分にとってもっとも困難だったのは2007年から2009年、スワート渓谷(注:マララさんが住んでいたタリバン支配地域)にいたころだったと語った。
「なぜなら私たちは、声を上げるか、だまっているかの判断の分かれ目にいたからです。そして私は、もしだまったままでいれば恐怖におびえ続けることになると気づきました。声を上げることが、人を助けることになるのです」
(「United Nations News Centre」より翻訳引用)
だまっていたら現状は変えられないけれど、行動を起こすことで自分だけでなく周りの人を救うことにもなる──。そんな思いがマララさんを動かしているよう。
そして彼女の強さは確実に、世界の人たちを勇気づけています。
「何が美味しいか」「何がかわいいか」周りの空気うかがってない?先進国にいる私たちは、会社や社会に対して思うところはあっても、ついつい自分のなかにため込みがち。はき出すとしてもごく親しい友だちにグチったり、SNSに書いて発散するくらいじゃないでしょうか。
しかし、それだと自分の気は多少晴れても問題は解決しません。むしろはた目には「現状に満足している人」に見えてしまって、「変わらなくていい理由」のひとつにすらなってしまいそう。
考えてみればいまの私たちって、周りの人やメディアの空気をいちいち伺うくせがついているように思います。それは、教育や男女の権利みたいな社会的なテーマに限らず「何が美味しいか」「何がかわいいか」のような、身近で主観的な話題まで。
たとえば「このブランドが好きって言ったらバカにされそう」とか「このお店ってもうダサい?」とか。
そんな私たちのくだらない風潮に一石を投じてくれそうな、マララさんの行動力──。私も、言動のくせをちょっと変えて、小さな勇気を出すところから始めてみようと思っています。
写真/gettyimages
[United Nations News Centre, Business Insider]
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