それでも社会人として生活をしていると、大人数の飲み会や結婚式、会社でのプレゼンなどなど、大勢の人に向かって話さないといけない場面がときどきやってきます。
というか私なんて、レストランやカフェで注文する程度でもうまく聞き取られないことがあって、そのたびに申し訳ない気持ちになっています。
具体的なトレーニング法で自信がついたそこであるとき、発声法のセミナーを受けてみたことがあります。たった2回のセミナーでしたが、講師のかたが私の声の出し方の弱点を発見して具体的なトレーニング法も伝授してくれて、「こうすればいいんだ!」と自信がつきました。
セミナー参加者のなかには、こもっていた声がぐっと深い美声に変わったり、態度まで堂々と変化したように見えたりする人も。残念ながらそのセミナーは単発で終了してしまい、私もそのときの聞き取りやすい声を維持できずにいました。
でも最近、『人前であがらず話せる「1分声トレ」』という本(以下『1分声トレ』)を見つけて、これだ!と感動したのでご紹介します。
この本では、「声が小さい」「うわずる」「かん高い」など声の悩みのタイプ別に簡単なトレーニング方法が書かれていて、自分に合った改善法を見つけることができます。
体をゆるめて声を出しやすくる発声トレーニングというと「生麦生米生卵」といった早口言葉を想像されるかもしれませんが、『1分声トレ』に書かれているものはちょっと違います。
著者でボイストレーナーの司拓也氏によれば、うまく声が出ないのは「体に無駄な力が入っているから」だそう。だからこの本では、体をゆるめて声を出やすくするための「声トレ整体」を勧めているんです。
たとえば「緊張しやすい・のどがつまりやすい」人には「肩ストレッチ」が有効とされています。肩に力が入っていると浅い呼吸になり、大きな声が出なくなってしまうそうです。肩ストレッチの方法は、以下を5回繰り返すだけです。
かん高い声なら、呼吸器系のツボをマッサージ1.左右の手の指先をそれぞれの側の肩につけ、肘を正面に向けます。
2.そのまま肘を天井に向けます。
3.そのまま肘を後ろに回し、1に戻ります。やりにくい人は、片側ずつ行ってください。
「かん高い声」を気にする人は、「雲門開き」というトレーニングが効果的だそう。
「雲門」とは呼吸器系のツボのひとつで「鎖骨の下を肩に向かってなぞっていくと、くぼんでいる部分」。この雲門と、鎖骨の下を並走する鎖骨下筋をマッサージすることで、呼吸が深くなってソフトな声が出るそうです。こちらも以下のように、簡単なマッサージです。
鎖骨の下で硬くなっているところや、「雲門」を、3本の指で強めに押します。(左右各10回)
なんだか声のトレーニングというより、やってみるとふつうに気持ちいいんですが、これで声の出やすい体になるなら一石二鳥です。
声が小さい人や滑舌が悪い人は、頬骨まわりの筋肉をきたえるマッサージだけでなく、声を出してのトレーニング法も掲載されています。
たとえば「声が小さい・滑舌が悪い」人には「割りばし発声法」。声が小さい人は「頬骨のまわりの筋肉をまったく使わずに話している」そうで、たしかに私自身そんな気がします。そのトレーニングとは、次のようなものです。
割りばしを横にくわえ、前歯を見せます。これだけでも、ふだん口を開けていない人は、頬骨周辺の筋肉がプルプルしてくるはず。
その状態のまま、左のテキスト(注:「学問のすすめ」の冒頭)を音読してみましょう。
実際やってみるとたしかに、普段使っていない顔の筋肉が使えている感じがしました。口だけでなく目も自然に開いて、表情も明るくなれそうな気がします。
声を変えると、見た目も変わる『1分声トレ』にはこの他にも、すべての人に共通する姿勢のとりかたやマッサージ法、婚活での自己紹介や社内プレゼンといった場面に応じたトレーニング法など、声の悩みの対策が多面的にまとめられています。
この本の著者の司さんが校長を務めるボイス & メンタルトレーニングスクール「アマートムジカ」には1日から受けられるコースもあるので、より本格的に声を改善したい人はそういったレッスンを利用してみるのも手です。
司さんは『1分声トレ』で「声を変えると、見た目も変わります」と言っています。
なぜなら、声を出すためには美しい姿勢を身につける必要があるし、深い呼吸をするようになるので自律神経のバランスが整うし、顔の筋肉をよく動かすために表情が豊かになる、というわけです。
「人前で話す」という小さな苦手の克服が、仕事やプライベート全体を変えていくきっかけになるかもしれません。
写真/Shutterstock
こちらも読まれています・なぜか勇気もらえた。いま話題の「モアナチャージ」ってなに? #sponsored
・出会いの春を迎える前の肌トラブル対策 #sponsored
・美人度高まる。目と眉の距離を近づける方法 #sponsored
【参照サイト・画像・動画へのアクセスはこちら】