何の罪もない人であっても、「外国語でメールを書いた」といった些細な理由で監視対象にされ、プライベートなメッセージや写真までNSAのデータベースに保存されていたんです。
もっといえば、アメリカやNSAに限らず、スマートフォンはつねに電波を送受信していて、それを元に居場所を突き止めたりすることは技術的に可能です。道を歩けばいくつもの監視カメラに無意識のうちに捉えられ、人間のプライバシーはテクノロジーの浸透とともに限りなく狭められてきています。
現代の自衛手段はファッションで。電波のやりとりをブロックするコートそんな現代への自衛手段を、ファッションで提供している人たちがいます。
オランダのデザイナー、Marcha SchagenさんとLeon Baauwさんは、電波を遮断する「KOVR」というコートを作りだしました。
KOVRには金属を織り込んだ素材が使われていて、スマートフォンや車のキー、クレジットカードのチップなどの電波のやりとりをブロックしてしまうんです。
Project KOVRさん(@projectkovr)がシェアした投稿 - 2016 4月 13 5:47午前 PDT
photo by Roza Schous
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KOVRのポケットにスマートフォンを入れておくと、電話もメールもLINEも受けられなくなります。それでは困る場合は、黒いポケットにスマートフォンを入れておけば電波が届く状態になるそう。
シャイニーで近未来な素材感。顔全体を覆うフードで監視カメラ対応も?Project KOVRさん(@projectkovr)がシェアした投稿 - 2016 10月 25 1:03午前 PDT
さらに、実際使わないかもしれないけれど徹底していて興味深い特徴は、顔まですっぽり覆えるこのフード。一瞬アメリカの白人至上主義団体かと思ってしまいますが、これは監視カメラなどで顔を撮影されないために、ということなんでしょう。
photo by Roza Schous
機能重視のウェアにありがちな野暮ったさはなく、シャイニーな素材の近未来感や大きめのシルエットで、スタイリッシュに着こなせそうです。
アートイベントにも出展。政治的アートの意味合いもProject KOVRさん(@projectkovr)がシェアした投稿 - 2016 10月 4 4:02午前 PDT
KOVRは575ユーロ(約7万円)でプレオーダー受付中で、30件集まったら生産開始するとのこと。
Project KOVRさん(@projectkovr)がシェアした投稿 - 2016 10月 28 2:33午前 PDT
KOVRは、ただテックフレンドリーなコートであるだけでなく、政府の監視への対抗手段という意味で、存在自体が一種の政治的アート。すでにDutch Design Weekなど、複数のアートイベントに出展しています。
ドナルド・トランプ政権誕生を受けて、いままで必ずしも政治と近くなかった人でもメッセージを発信する時代。
新しいテクノロジーを取り込んだファッションと、それを使ったステートメントの表現、これからもっと広がっていく気がします。
[KOVR]
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