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正直、子どもは欲しくない。でも、結婚したい。

2016/10/31 12:00 投稿

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「結婚したい」という女性陣に理由を聞いてみると、筆頭に上がるのが「子どもが欲しいから」。

「夫はどうでもいいけど子どもは欲しい」「日本の現行法制度では結婚した方が子どもをつくるのにがぜん有利だから結婚したい。フランスみたいに婚外子が多い社会ならすぐ婚外子を生むのに」という声も聞きます。

一方で、少数派ではあるものの「子どもは欲しくないけど結婚したい」勢もいます。

子どもが欲しくない女たち

「子どもが欲しい」と言う女性たちのパワーが強すぎるせいか、あまり表には出てきませんが、子どもが欲しくない女性たちもそれなりにいます。

理由はさまざま。

「両親がいつもケンカしていて怒声と罵声のなかで育って、子どもの頃は不幸で家族が大嫌いだった。だから、子どもがいる家庭生活というとどうしても不幸な気持ちしか生まれないから、欲しくない」

「親から暴力を受けて育ったせいか、私もものすごく怒りっぽくなってしまった。いまはだいぶ治ってきたけど、いまでも時々ものすごく攻撃的になる自分が怖い。こんな自分に子どもを育てられるとは思えない」

「ずっと子どもが好きだと思っていたけど、姉の子どもを見てもぜんぜんかわいいと思えなくて、抱っこしてるときに吐かれて不快感しかなかった。たぶん私、男ウケがいいから『子どもが好き〜』って言ってただけなんだよね」

「いまは仕事が一番。だからどうしてもここ5年は仕事から離れられない。だから少なくとも5年は子どもは絶対に欲しくない」

家庭に夢を見られないから、自分で子どもを育てる自信がないから、そもそも子どもが好きじゃないから、子どもに割ける時間がないから、子どもは欲しくないと彼女たちは自覚しています。

女は皆、母性を持っている神話

しかし、こういう打ち明け話は人を選ぶ必要があります。

よくあるのが「女は皆、母性を持っていて子どもを欲しがるもの」と思い込んでいて、「子どもが欲しくない女はわがまま、自己中心的、母性が欠けている」というレッテル貼り。

会社の飲み会で「子どもは欲しくないんだけど結婚したいんですよね」などとぶっこもうものなら、あらゆる世代の男性陣からヤジが飛んでくるのは必至です。

そして「子どもは至高の存在」信仰者による「子どもはいいよーいないからそんな風に思うんだよーまず生んでみなよー」という「とりあえず生め」アドバイス、かーらーのー、自分の子育てレジェンド語りのコンボ。

本気で素晴らしいと思っていて勧めてくるのはわかる...わかるのですが、生んだら責任を持って育てなければならないわけで、「とりあえず」で生めるものではありません。

子どもが欲しくない自分は女としてダメなのか?

「女性って子どもが好きなんでしょ?」神話と「子どもはとにかく素晴らしいからごちゃごちゃ言わずに生め」神話は、子どもが欲しくない勢にはけっこう厄介です。

若いときは、「女は子どもが好きなもの」という空気を感じ取り、意識的あるいは無意識的に子どもが好きアピールをしていても、いざ自分が子どもが欲しいか欲しくないかの判断を迫られると「ノー」だった...なんてこともあります。

いざ「自分は子どもが欲しくないんだ」と自覚しても、そうすると今度は「子どもが欲しくない女性はちょっとね...」という反応や「子どもは最高! あなたは人生を損してる! 大損!」というプロパガンダにげんにょりしたり。

子どもは欲しくない。でも、結婚したい。

そうしてちょっとした否定が積み重なると、彼女たちは自信を失っていきます。

「子どもが欲しくない自分は女としてダメなのかな...」

「やっぱり男性は子どもが欲しい女性と結婚したいものなのかな...」

「人間として器が狭いから、子どもを受け入れられないのかな...」

「ただパートナーとのんびり老後を迎えたいだけなんだけど、それは贅沢なのかな...」

「女としてダメで器が小さい自分は、結婚とか求めちゃいけないのかな...」

彼女たちは彼女たちなりの理由できちんと考えて「自分は子どもを欲しくない。でも結婚したい」という結論を出しています。

しかし、「結婚=子ども」「女=子どもを欲しがる生き物」という価値観に触れてダメ出しをくらい続ければ、迷いが生じるのも無理はありません。

「結婚=子どもを育てる」じゃない。選択はぶらすな

たしかに、結婚に「子どもをつくり育てる」という希望を持っている人は男女ともに大勢います。まわりの話を聞いていても、「結婚するからには子どもが欲しい」という人はマジョリティかと思われます。

そういう人たちとばかり接していると、「結婚=子どもをつくる」であり、「子どもをつくらずに結婚したい」自分は異端者なのではないかと思ってしまうかもしれません。

しかし、もう少し広くまわりを見渡してみれば、ふたりで話し合った結果「いまは子どもをつくらない」あるいは「ずっと子どもをつくらない」と合意している夫婦はちゃんといます。

「子どもが欲しくない自分は結婚など高望みなのではないか」「わがままなのでは」と思う必要はないです。

「結婚する」ことも「子どもを育てる」こともどちらも人生の選択肢のひとつにすぎず、それをやらなかったからといって「人間的にダメ」「女としてダメ」となることはありません。言ってくる人はいるでしょうが、そういう輩は心のなかで火あぶりに処せばいいだけのこと。自己評価を下げる必要はありません。

とくに、親となり子どもを育てることは大変な責任が伴う大仕事です。生半可な気持ちや「まわりがいうから」という理由で選ぶ道ではありません。

だから「子どもが欲しくない」は、婚活するならきっちりはっきり最初に言おう。額にも書いておこう。

マッチングする人数は下がるでしょうが、人生と結婚に求めるものが違う人とマッチングしないのはもうしょうがない。お互いに別の道を歩めばいいだけです。

私としては、友だちに子どもができれば大よろこびだし、子どもがいないなら一緒に飲んでくれる友だちがいるから大よろこび。彼女たちが楽しそうな結婚生活をしてればなんでもいーやと思ってます。

写真/田所瑞穂



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