前回ご紹介したのは、海も山も食も全方位で心を解き放ってくれるマウイ島。
今回は、またがんばろう、がんばりたい! と自然に思える場所・ラナイ島をご紹介します。
島の98パーセントを買ったラリー・エリソンラナイ島を有名にしたのは、オラクルの元CEO、ラリー・エリソン。
島の約98パーセントを買い、ラナイ島にあるホテル「フォーシーズンズ リゾート ラナイ」のオーナーでもある人。
エリソンがこの島を買ったのは、手つかずの自然に魅了されたから。そして、その自然をそのまま残したいと思ったからだそう。
そんなリソンの思い通り、いまも島の自然はそのまま残されていました。
失業者ゼロ、ホームレスゼロのピースフルな島エリソンが島の大半を買い取った、と聞いて気になっていたのが、そこに住む人たちの気持ち。
ハワイ諸島のなかで、人口が約3,100人ともっとも少ないラナイ島。
実際、住んでいる人に話を聞いてみると、
「とても安心できる島だよ。犯罪がゼロだから留置所があっても入る人がいないんだ」
「家の鍵はかけたことがない。泥棒なんていないから」
「失業者ゼロで、ホームレスもいない。すごく平和なんだ」
「ラリー・エリソンのことはみんな大好きだよ。気さくで本当にいい人だし、島のことをよく考えてくれている」
と好意的な意見ばかり。自分の住む土地が誰かに買われたら、少し恐れてしまいそうという、先入観が一気に打ち砕かれました。
プライベートが守られた大人のリゾートピースフルな気持ちがあふれているラナイ島。
ステイ先は、エリソンがオーナーの「フォーシーズンズ リゾート ラナイ」へ。そもそもラナイ島にはホテルが3つしかないので、選択肢は限られています。
「フォーシーズンズ リゾート ラナイ」は、大人のリゾートそのもの。扉がなくオープンなエントランス。そこをくぐると高い天井の吹き抜けがあるロビー。
その先に広がるのは、プールと海。客室のどの部屋からも見える海は、全米ベストビーチとして知られるプロポエ湾。島をおおう赤土とビーチの白と海の青のコントラストは、ほかでは見ることができない絶景です。
ホテルから直結しているビーチは、宿泊者専用なので、ほとんどプライベートビーチ状態。
ホテルのなかも、ハワイを感じさせてくれる花やグリーンがたくさん。リゾート気分を盛り上げてくれます。
そして、ホテルのいたるところで見られたオリエンタルなインテリアたち。桐でできたタンスや池を泳ぐ鯉。日本らしい雰囲気がより一層リラックスさせてくれます。
ホテルのスタッフに聞いてみると、
「エリソンが若いころ、日本へ旅をしたときに、日本が大好きになりました。だから、ここのインテリアにも日本の調度品を置いているのです。完全に彼の趣味ですよ」
と話してくれました。
エクストリームと静寂が混じる「神々の庭園」ラナイ島のなかでも、手つかずの自然を強烈に感じるのが「ケアヒアカヴェロ(神々の庭園)」。
島の中心部、ラナイシティから車で約45分。舗装されていない道を、車でどんどん進んでいきます。
乾燥した赤土の砂ぼこりと、時間が止まってしまったような乾いた木々。手つかずの自然そのままの姿を目にして、思わず息をのんでしまいます。
車の窓を開けていると、赤土がどんどん入ってくるほど風も強い場所。途中、エクストリームなスケートの撮影にも出くわしました。そんな撮影が行われるほど、険しい道が続きます。
荒れた道の終点に出てくるのは、ゴツゴツとした自然石が散らばっている「神々の庭園」。巨大な岩や石の塔が全面に広がっています。ハワイの島から島へと吹く強い風によって、散らばった石たち。自然がつくったその配置。その偶然を大切にしているために、人間が手で動かすことは禁止されています。
乾いた赤土と石や岩たち。月面のような世界に、強い風の音。時間の流れがわかるのは、はやい雲の動きだけ。数世紀にもわたってできた「神々の庭園」。厳しい環境でもそこで生きている植物をみると、ただただ自然は強い、と感じられる場所です。
また来たい、と誓いたくなるノーフォークマツの並木道そして、ラナイ島らしい景色といえば、ノーフォークマツがずーっと続く道路。写真を撮るのにも絵になるし、見ているだけでスーッと気持ちが静まっていきます。一定の間隔で並んでいるマツが永遠に続いていくように、まだまだ続く自分の人生を重ねていました。
自然の強さと大人のリゾートが味わえるラナイ島。また仕事をがんばってここに来よう! と誓いたくなる場所です。
[有休ハワイ]
撮影/出川光 取材・文/グリッティ編集部 取材協力/ハワイ州観光局
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