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ぜんぶゼロにしても大丈夫。30代ってつらくて楽しい

2016/09/16 12:00 投稿

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これから5年後、10年後。自分はどうなっているんだろうと、ふと不安を感じることがあります。

結婚は? 仕事はいまのまま?――

なんて、考え始めるとキリがないくらい。

そんなときは、自分がいいなぁと思える先輩の話を聞くのがいちばん。

なんだかいつも素敵で、人生そのものを楽しんでいそうな大人なふたり、大日方久美子さんと行方久子さんに会いに行ってきました。

左:大日方久美子さん 右:行方久子さん

大日方久美子(おびなた・くみこ)さん

2013年にパーソナルスタイリストとして独立。アパレルブランドのWEBページで、スタイリングやモデル、コラボ商品の開発なども行う。販売員としての経験から、アパレル店長へのスタイリング講習を請われることも多い。2016年4月に初の著書『"エレガント"から作る大人シンプルスタイル』(KADOKAWA)を出版。

行方久子(なめかた・ひさこ)さん

ブランディングディレクター。映像制作会社、カメラマンマネージャー、ストリートブランドの立ち上げを経て独立。人・モノ・サービスの価値を高めて、広めるためのクリエイティブや、ディレクションを手がける。アパレル、美容、サービスから食まで幅広く活動中。

30代前半は「スクラップ&ビルド」

ともに30代で独立し、Instagramで華やかなライフスタイルを見せてくれる久美さんと久子さん。

意外にも30代の前半は「迷いの時期」だったと言います。

久美さん:それまでずっと、大きな目標を持ち、それを叶えてきたのに、ポカンとわからなくなっちゃって。夢見たものと自分ができることのギャップに、疲れてしまったんだと思います。それで、めちゃくちゃ遊びました(笑)。でも、大騒ぎしても心は悲しいし苦しいし、嫌でたまらなかった。

じつはすごく飽き性で、同じ場所にマックス6年しかいられない、という久美さん。心にできた空洞は、転機を教えるサインだったのかも。

久美さん:それでエスカレートして、お金も住むところもなくなって、34歳で千葉の実家へ。何かしなくてはと、派遣でとある高級ブランドに勤めたのですが、そこで感情もプライドも押さえつけられて、やっと次の目標ができて...。独立しよう、って思えた。かっこよくいうと、自分をスクラップ&ビルドしたんでしょうね。

現在のパートナーに「もういいかげん気づいたほうがいいよ、君は企業にむいてない」と言われたことも、独立への力になったそう。持つべきものは、見る目のあるパートナーですね!

もう失うものはない、全部実名でやろうと決めた

いっぽう久子さんは、20代で仲間と起こした仕事の大成功を経て独立へ。

久子さん:私は31歳で独立しました。1~2年はすごくお仕事をいただいたんだけど、いま思えば実力じゃなかった。独立したご祝儀というか、周囲の大人たちはちょっと仕事をあげてみようかな、という感じだったんだと思う。うまくいって浮かれたり、急に切られて落ち込んだりの繰り返しでした。それで30代後半くらいに、1回ゼロにしたんです、私も。

走り出した仕事をゼロにするなんて、怖くありませんでしたか? と聞くと、全然! と久子さん。むしろ、そこに行きつくまでがつらかった、家に引きこもったりして...と笑います。

久子さん:家賃が払えるだけの仕事を残して、海外を回ったりしているうちに、それまではマーケティングもPRも何でもやっていたけれど、ブランディングがしたいと気づくことができた。もう何も失うものはないから、SNSも全部実名でやろうと決めました。表に出ることも頑なに嫌がっていたけれど、少しずつ自分を解放するようにして。そこから仕事も変わっていきましたね。

アラフォーとなったいまは、30代前半とくらべると楽になったし、自由になれたというふたり。

久美さん:10年分の知識と経験があるから、何かがポンときても、色々な立場から物事が見られるし、対処法もわかるしね。

久子さん:以前は年間の計画を逆算して、この日は何をやるって時間割をたててました、仕事も、読む本まで。でもいまは情報の流れが速くてガンガンひっくり返されるから、これがおもしろそうって思えたことをやる。それがいまの気分。

キャリアを積んだ女性のオーラを感じる一方で、少年のようなアクティブさと好奇心をのぞかせるふたり。ちょっと不敵に笑いながら話す姿がかっこよくて、憧れてしまいます。

全然ちがうふたり。だから刺激的

ふたりの出会いは2年前。

憧れの存在だった久子さんを、久美さんがInstagaramでフォロー。お互いに共通の友人がいることがわかり、3人で会おうとしたけれど、忙しい友人の予定がなかなか合わない。それで、「もうふたりでいいんじゃない?」と、青山で待ち合わせしたのだとか。

久美さん:最初は緊張して。そのとき自分で着ていた服までおぼえてる。

久子さん:その日を境に、人生にいろいろな登場人物が増えていっているんです。いろんな場所にふたりで行ったし、お互いの友だちを紹介したり。

久美さん:ひーちゃん(久美さんは久子さんをこう呼ぶ)の人脈がすごいから、いろんな場所に私を連れて行ってくれて、出会わせてくれたのよね。

いっしょに展示会に行ったり、イベントに行ったり。ふたりがそろったら、それだけで場が華やかになりそうです。

久美さん:ひーちゃんと私は、全然ちがう。私がわーっと盛り上がりすぎたときに、冷静な意見をくれて、鎮火してくれるのがひーちゃん。だから刺激的なんです。

久子さん:それは私も同じ。ファッションへの情熱を失いかけていたときに、その熱を思いださせてくれたのは久美ちゃんだった。こんなに服に対して熱い思いを持っている人がいるんだと、すごく影響されましたね。

いまは以前ほど連れだって出かけることはないけれど、ときどき連絡をとりあったり、現場で偶然出会ったりと、いい距離感の関係が続いていると言います。

恋して服を着る気持ちが、人を輝かせる

今年の4月に、初の著書を出版された久美さん。

Instagramを見た編集者が声をかけてくれたのがきっかけでした。本のテーマである「エレガント」についてうかがうと、

久美さん:エレガントには上品というイメージがあるけれど、私のなかでは『その人自身のポテンシャルを100%実現できるスタイリング』。まずは持っているもので、いちばんきれいに、品よく見える土台を作る。土台ができていれば、そこからカジュアルに崩すこともできます。その土台を知ることが、エレガントと捉えています。

そんな久美さんの眼から見ると、久子さんのファッションは「なんでもいく」のが魅力。久子さんはアメカジからパンクまで、あらゆるファッションを全部通ってきたのだとか。

久子さん:いいなと思うアイテム、そのものに恋をして着ていく感じ。本当はちょっとサイズが合っていなくても、この人が作った服が着たい! という思いが勝っちゃうの。

久美さん:わかります。やっぱり『これがすごく好き!』って思える服を着ているときが、いちばん素敵なんだよね。ファッションも生き方も、自分の心が『うれしい』と思えることが大事。インサイドとアウトプットが合っている人は、何をしていても、どんな外見でも、とても魅力的!

ベタベタしない、でも刺激的な関係でいられる友だちを持つことは、人生を楽しむコツのひとつと言えそう。パッションあふれる久美さんと、知的でクールな久子さん。まったく対照的なふたりが一緒にいると、お互いの魅力と美しさがさらに引き立つようでした。

そんな久美さんと久子さんの連載がグリッティでスタートします(第1回目は9月21日公開予定)。

ふたりのライフスタイルや好きなモノ、仕事のこと。都会で暮らすふたりのリアルをもっと知ることができそうです。

撮影/山崎朋世 ヘアメイク/城生なみ子 取材・文/田邉愛理



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