グリッティと姉妹サイト・ルーミーは作品の魅力に迫るべく、米カリフォルニア州のディズニー・アニメーション・スタジオを取材しました。実は今作には、日本人のクリエイターも参加しています。シリーズ第4回目では、グリッティ世代の齋藤千佳さんにお話をうかがいました。
『ズートピア』の現場で働く日本人女性クリエイター
部屋に入ってくるだけでその場の雰囲気が明るくなるような、笑顔が素敵な齋藤さんは、モデラーという部署に所属。劇中に登場する街や建物など、セットを手掛ける仕事を担当しています。
「ズートピアには動物の生態によって異なる6つの世界があります。デザインがすごくユニークで、ディズニーでも今までに作ったことがないようなものがいっぱいありました」
と齋藤さん。
「6つの世界があるので、仕事量は6倍くらいありました。『アナと雪の女王』の時は1つ国を作れば良かったんですけど、今作は雪の街や砂漠の街など全然違う世界を作っていくので、仕事量は1番多かったかなと思います。『ベイマックス』の時よりもだいぶ大変だった気がしますね(笑)」
と今作で苦労した点を教えてくれました。
ディズニーで働きたい一心で高校卒業後、単身渡米
そんなハードワークでも最後まで乗り切れたのは、警察官になることを夢見て上京した主人公のジュディと、自身の経験が重なったからなのだそう。宮崎県の田舎で育ったという齋藤さんは高校卒業後、ディズニーで働きたいという一心で単身渡米しました。
「周りは大反対でした。ジュディのご両親もそうでしたけど、私の親もすごく心配して、『銃社会だから、防弾チョッキを買ったほうがいいかもね』みたいな話をしていました(笑)。怖いし、分からないことがいっぱいあるし、私は英語もしゃべれなくて。本当に大変でしたけど、自分の夢から目を逸らすことはなかったです」
子どもの頃からディズニーが大好きだったという彼女は、『ピノキオ』に出てくる「良心に従って進みなさい」という言葉を大切にしています。何かあるとその言葉を思い出していたといい、自分を励まし続けてくれたディズニーで働くことを決意したそうです。
「今作の仕事も大変でしたけど、ジュディががんばっている姿とか、ちょっとホームシックになっちゃうシーンとか、すごく気持ちが分かるんです。だから、彼女を応援しながら、すごく気持ちが入って、とても幸せに仕事をさせてもらいました」
と笑顔で振り返っていました。
大変なことの方が多くても、覚悟を決めること
最後に、
「(アメリカでの仕事は)やっぱり大変なことの方が多いんですね。不安とか心配事とか、みんなより劣っているんじゃないかという怖さによって、ちょっと逃げ腰になったり、自分の中で言い訳したくなったりすることもありました」
と齋藤さん。
「それでも、絶対にやり遂げるっていう強い心があれば、必ず突破できると思います!それで諦めちゃうんだったら本気じゃなかったんだ、というくらい覚悟を決めてやれば、絶対に周りも応援してくれるし、夢はかなうと思います。絶対に!」
と語る彼女は、本当に輝いていました。
映画『ズートピア』は全国公開中。ジュディの姿に共感するのは、齋藤さんだけではなさそうです。
『ズートピア』の裏側もっと知りたい!
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『ズートピア』
製作総指揮:ジョン・ラセター
製作:クラーク・スペンサー
監督:バイロン・ハワード『塔の上のラプンツェル』/リッチ・ムーア『シュガー・ラッシュ』
配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン
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2016年4月23日(土)公開
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Kira Letohmaki photographed by Kaori Kikuchi
取材協力:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン
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