それは私だけでなく、多くの女性の悩みとなっているようです。そんな心と体のゆらぎを少しでも楽にしたい。
そこで今回は、成城松村クリニック院長、婦人科医の松村圭子先生に、30代以降に感じる「ゆらぎ」について教えていただきました。
30代は元気なのが当たり前
疲れやすい、だるさが抜けない、気分の浮き沈みが激しい、PMS(月経前症候群)がつらい......。
このような症状を感じるとき、私たちは「もう若くないし、女性ホルモンが減ってきたのかな」なんて思いがち。ですが松村先生はこう語ります。
「本来ならば、30代は元気であるのが当たり前なんです。女性ホルモンのピークは20代後半といわれていて、30代の後半から徐々に下がってはきますが、まだ大きな変動があるわけではありません。不調があるのは、女性ホルモンが下がってきたからでなく、別のところに原因があると思った方がいいですね」。
30代になると女性ホルモンが明らかに少なくなると思いこんでいたため、このお話にはちょっとびっくりしました。
原因は自律神経の乱れにあり
では、私たちが日々感じている不調の原因は何なのでしょう。松村先生によると
「もちろんホルモンによる影響も多少はありますが、どちらかというと自律神経の乱れのほうが大きいと思います。自律神経とホルモンは密接な関係があり、お互いに影響を及ぼします。どちらかが崩れるともう片方も影響を受けてしまうため、自律神経やホルモンのバランスが乱れることにより不調を感じるという人が多いのではないでしょうか」とのこと。
また、自律神経の乱れはライフスタイルに問題があることが多いそう。なかでもストレスは大敵なのだとか。
「ホルモンも自律神経も、司令塔は脳の視床下部です。視床下部はストレスと不規則な生活が大嫌いなので、そのふたつがあるとダイレクトに影響を受けますよ」と先生。
ライフスタイルを見直そう
とはいえ、忙しく働いていたり、育児に翻弄されたりしている30歳以降の女性にとって、ストレスや不規則な生活は避けて通れない問題です。
そこで先生がすすめるのが、生活習慣の見直し。
「自然に逆らわない生活が大事です。でも現代人は、年中快適な温度を保った室内で生活したり、夜中でも煌々と明るい照明のもとで起きていたりと、心と体が影響を受ける生活を余儀なくされています。そういう生活をやめろとは言いませんが、自分なりに工夫をしてうまく避けることが大切。たとえば、つい会社帰りに寄ってしまうコンビニ通いを止めるとか、寝る前に食事をとるのを止めるとか。自分の生活を振り返って、不調の原因となり得るものを取り除いてほしいですね」。
さまざまな不調の原因は、じつは「自律神経」からきていたのですね。
「女性ホルモン」が原因とばかり思っていた私は、一生懸命豆乳を飲んだりバラの香りをかいだりしていましたが、ちょっとトンチンカンだったのかも......。
原因がハッキリわかったことで、対処の方法が見えてきたように思います。
次回は、女性を悩ます「PMS」について、松村先生に詳しく伺います。
お話を伺った方:成城松村クリニック院長・松村圭子先生
婦人科医。広島大学医学部卒業。広島大学付属病院などを経て現職。婦人科専門医として月経トラブル、更年期障害、婦人科検診などの治療とケアで女性の人生をサポートする診療を心がけている。テレビ、雑誌などのメディアでも活躍中。「女性ホルモンがつくる、キレイの秘密」(永岡書店)など著書多数。
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