プライドを捨てたら見えてきたこと
しあわせな結婚、妊娠を経て激務のフライトアテンダントを辞めざるをえなかった彼女。女性にとって家庭と仕事の両立はあこがれではあるけれど、現実は遠い夢の話です。しかし「ただの自分」で終わりたくなかった彼女は自身のサイトをユーチューブに立ちあげ、大好きなメイクの仕方をレクチャーする方法でお金を稼ぐことにしました。
うつくしくて華があり、おしゃべりの上手なサスキアさんはとっても魅力的。新品コスメの紹介をはじめ様々な工夫をこらすも、人気はすぐに低迷。メイクやコスメ関連のユーチューバ―市場は世界中でも今や飽和状態で、お金を払ってまで見たいと思う「何か」がなくては生き残っていけません。
自暴自棄になった彼女はある日開きなおり、子育ての悩み、部屋が汚いのに掃除したくないことなどを語りはじめます。
ときには重い洗濯かごを抱えて洗濯するシーンや、ある朝などは起きあがれなくてベッドでグダグダするパジャマ姿などまるで自分の親や親友だけにさらすような姿まで公開。おかしなことに、そんなかっこ悪い自分を否定しない日常生活を開示することで、フォロワーが爆発的に増えはじめたのです。
したたかに、「ただの主婦なんて言わせない」
「なぜかわからないけど上手くいくと思う」、そんな根拠のない自信を持ちはじめた彼女。やっていることは特別でもなんともなく、ただ母としての日常生活をカメラに収めているだけです。とくにお金に困っていたわけじゃないけれど、ただやってみたら上手くいってしまっただけという彼女。
でもその裏には、自分が「やりがい」を目指すのであれば、どうしても成功したいという強い気持ち・努力と、したたかさもところどころに垣間見えます。将来の夢は、自分の化粧品シリーズを発表することだそう。
ここまでの人気がでたのは、「主婦」という存在が日本のように軽んじられていないこともあげられます。「ただの主婦なのに」なんて口にしようものなら、ドイツでは袋叩きにあいます。
まだ若い独身の女性たちが、育児や仕事に日々奮闘する彼女の姿に尊敬の意をこめ、大きな共感を寄せている点もとても興味深いところです。「転んでもタダでは起きない」覚悟があれば、誰にだって「ラッキーの波」に乗れる瞬間はやってくると彼女は教えてくれたのかもしれません。
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