たいていのSNSは13歳以上から
アメリカには、「児童オンラインプライバシー保護法(Children's Online Privacy Protection Act)」があり、13歳未満の子どもの個人情報の扱いが規制されていますが、私の住むフランスには、今のところそれに相当する法律がありません。
とはいえSNSの規定では、それぞれ登録に年齢制限が設けられています。
Facebook、 Instragram、 Twitter、 Youtube、Google+、 Snapchatなどでは、アカウント作成を大抵13歳以上と明記しています。(snapchatは12歳以上。google+は国によって年齢制限が異なる)
ただし、年齢証明が必要なわけでもないため、フランスでは、偽りの生年月日で参加するプレアド(思春期前の年齢層8~13歳)も多いとみられています。
これを危惧し、EUでは現在16歳以下の子供のSNS登録に親の許可を必要とする制度を検討中です。
SNS参加=危険ではもちろんありませんが、外にさらされる面が増えるほどリスクが高まるのは事実です。大人でさえ、不用意に個人情報を漏らしてしまうこともあるネット世界。子どものリスクは推して知るべしでしょう。
身近にあった脅迫事件
私の周りでは、最近こんな話がありました。
ツイッターでチャットをしながら、マインクラフトで遊んでいた知り合いの男の子が、ゲームで知り合った大人に目をつけられ、脅されたのです。
ゲーム仲間としてネットで知り合った相手でしたが、あるとき突然「俺はハッカーだ、PCにウイルスを送り込まれたくなければ、裸の写真を撮って送れ。お前のFacebookを見たから、もう住所も学校も割り出し済みだ」という脅迫をしかけてきたのだそう。
その子どもの家は共働きで、昼間は誰も家にいません。おそらくそういう事情も、前もって聞きだしてあったのではないかと思います。
こんな話、大人がいれば「ばかばかしい」と無視できますが、子どもだと、その判断がつかないこともあるでしょう。
彼の場合、幸い親に相談したため大事に至ることはありませんでしたが、被害届を出しに行った親は、同じような事件が増えているという話を警察で聞いたそうです。
親の取るべき姿勢
批判精神が育った年齢として13歳はひとつの目安になりますが、「つまりは、年齢よりも成熟度のほうが大切だ」と、心理学者ヤン・ルルー氏は「Le Parisien 」誌上で述べています。
逆に言えば、13歳を過ぎたからといって、まるっきり放任して安心できるわけでもありません。親としては、どういう態度をとるべきか。
今の親がティーンエイジャーだったころには存在しなかった事象ですから、モデルが存在せず、悩む人も多いようです。
上述のヤン・ルルー氏によれば、つぎの2点が大切です。
子どものSNSに関心を持ち、会話に取りこむ
子どもがインターネットを駆使して広げる世界に、関心を持つこと。そして、家族の会話に、子どものネット趣味の話を取りこみましょう。
SNSライフが上手くいってるときに、家族とその話をする習慣を持っていれば、何か問題が持ち上がったときにも、口に出しやすくなるでしょう。
(「Le Parisien」誌より翻訳引用)
探りを入れるのも、盗み見るのもNG
子どもから誘われたのでない限り、FBで子どもの「友達」になることはありません。
(親の介入があると)子どもたちは、より痕を残さないSnapchatのような別のSNSに走るだけです。
(「Le Parisien」誌より翻訳引用)
また、子どもがログアウトし忘れているのに便乗して、投稿を盗み見るのもいただけません。
監視はしないけれど見守り、興味は持つけれど口出しはしない。10代の子どもとの距離の取り方には微妙な均衡が必要です。
まずはSNSも含め、いろんな話のできる親子関係を築き、子どもの成長を感じることで、上手に距離を保てるようになりたいものです。
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