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ちいさき人が教えてくれる【根本きこの島ごはん】

2016/02/16 21:00 投稿

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10歳の息子が、「赤ちゃんが生まれてから、赤ちゃんだからってバカにできないなって思った」と言った。

うちには10か月になる赤ん坊がいて、彼女を観察しての感想だろう。わたしも久しぶりの(7年ぶり)お産だったので、赤ん坊がどんなものか細かなディテールをけっこう忘れていた。

セルフビルドで建てた家は、赤ん坊のことまで考慮しなかったから「しまったなぁ」と思う箇所も多々ある。そのひとつでもあるデッキを見ながら、「ハイハイするようになったらここから転げ落ちるかもしれない」とか、「下の方にあるものを全部上にあげないと」とか、とにかく成長する上での注意事項ばかり心配していた。

でも、実際にハイハイしはじめ果敢にもいろんな場所に自ら移動するなか、「ここはちょっと落ちそう」とか「どうやらダメって言われているな」とかは、ちゃんと認識している。なので、問題のデッキにしても、つきっきりで監視していたのは1週間くらいだったように思う。あとは赤ん坊が自分で気がついて、自分で気をつけるようになった。

他人から見たら「危ないんじゃないのか」と思われそうでも、毎日いっしょにいるこちらとしたら、「このくらいは大丈夫」ということはよくある。

たとえば公園などの公の場の遊びに関しても、「これくらいは『できる』からやらせたい」と思っても、まわりの目がそれを許さない場合がある。というか、その空気を察して、「危ないから気をつけてね」と、むしろ事前に「わたしは見てますよ」とアピールするように(言わなくていいのに)言ったりもした。もちろんまわりは心配してくれているのはわかっている。よく、わかる。

息子に関しては幼い頃から木登りが大好き。公園の遊具よりその脇にある木に向かうような子どもだった。わたしもどんどん「登らせたい」と、最後には森に向かった。誰もいない森で、黙々といろんな木に登る息子を見て、ちょっと視界を変えるとこんなにも世界は広いんだなと感じた。

なにか物事を見るとき、「いけない部分」の方に初めはどうしても焦点を合わせてしまう。きっとそれは、ネガティヴとかじゃなくて、石橋を叩いているんだと思う。ゴンゴンコツコツと確かめて、ようやく渡れると橋に立ったとき、ぐんと視界が広がる。

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