日本での出産を控えた友人によく聞かれることのひとつ。海外ブランドのベビーカーでかっこよくお出かけしている有名人たちの影響でしょうか、ドイツのベビーカー事情もみんな気になるようです。
確かに、待ちに待った赤ちゃんとのお出かけ、おしゃれにキメたい気持ちはよくわかる。けれど、私の答えは毎回同じ。
「ドイツのは全然参考にならないから、買うなら日本のメーカーの、人気売れ筋商品を選ぶべし!」
ちょっとガッカリさせてしまう回答で申し訳ないのだけど、日本とドイツでは気候、道路交通事情、人口密度、を含めた子育て環境が大違い。日本で子育てするなら、やはり日本のものがいちばん! が私の意見なのです。
3変化が当たり前、ドイツのベビーカー
3変化、と言われてもピンとこないかもしれませんが、ドイツではキャリーコット・通常シート・車用シートとベビーカーを3つのかたちで使い分けます。
まずは、キャリーコットをはめこんだ状態の我が家のベビーカー。大きいでしょう? 日本で暮らす友人に「なにこれ! 手押し耕運機!?」と言わしめたほど。私もドイツに来たばかりのころは、このサイズのベビーカーでみんなお散歩していることに驚いたものです。ベビーカーは上の写真のようなキャリーコットと通常シートとがセットで売られている場合がほとんど。新生児のうちはキャリーコット、お座りできるようになったらシートを使用します。
通常シートの状態(もちろん対面型にすることも可能)
冬の寒さが厳しいためフットマフは必須アイテム
通常シートでもフルフラットにはなるので、赤ちゃんのねんねには問題なし。でも、キャリーコットは言い換えれば快適性◎の移動型ベビーベッド。おふとんや毛布を敷いて赤ちゃんをぐるぐる巻いてやると、安心するのかほんとによく眠ってくれます。
さらに、専用アダプターを取り付けて、自動車用ベビーシートをベビーカーに装着することも。車でスヤスヤ眠ってしまった赤ちゃんを、起こすことなくそのまま移動させられるので、これは買い物のときなどに重宝。
車移動が多いドイツでは保有率高め
というわけで、ドイツで主流のタイプは日本でよく見るものとはまるで別物だとおわかりいただけたでしょうか。おそらく日本では「コンパクトで、軽くて、畳んで自立する」ものが好まれるのに対し、ドイツのベビーカーはいつだって「大きくて、重くて、簡単には畳めない!」のが普通。でもこれにはれっきとした理由があって......。
そのお話はまた次回。