そこで、お正月のインテリアやテーブルコーディネイトを楽しむポイントを、鎌倉のライフスタイル系ショップ「日用美（にちようび）」のオーナー浅川あやさんに伺いました。
全体を変えようとせず、一箇所だけ飾りつける 辛島綾 蓬莱飾りの炭 2,500円
いきなり部屋全体を変えようとするのは難しいので、まずはどこか一箇所だけ飾りつけをする場所を決めるのがポイント。自然からの賜物を神様に感謝するための蓬莱（ほうらい）飾りは、ひとつ飾るだけでコーナーがぐっと絞まった雰囲気に。
辛島綾 蓬莱飾り・大麻 大 5,000円、小 3,700円
部屋にコーナーが持てない人は、壁を使うという手も。太古の昔から繊維として使われている大麻で繊維への感謝の願いを表します。
おもてなしにも。紙でできた正月アレンジ
「日用美（にちようび）」で12月27日（日）まで催されている折形作家・辛島綾さんの「織と折」の展示販売は、お正月準備のこの時季にぴったり。
「折形」とは、紙を折って包む礼儀作法のひとつ。伝統的な折形にモダンなアレンジを加えています。新年に飾る蓬莱飾りやお年玉袋、迎春用の折形などは見ているだけで気持ちが引き締まるよう。
蓬莱飾り（男女折形セット 1,200円）は干支文字を書き添え飾っても素敵です。お年玉袋にもなりますが、桃の節句のときにお雛様として飾ってもOK。おさまりのいい杉薄板（森田孝久 6,400円）は、器としてだけでなく、トレイ代わりにも使えるフレキシブルな逸品。お正月のテーブルに加えれば、静粛なイメージになりそうです。
食卓には赤や金でめでたさを演出 今年のお正月に浅川さんが撮影された一枚
お重とともに骨董のお皿とお正月らしい祝い箸（2膳セット 1,800円）。赤や金で新春らしい華やかなテーブルコーディネイトの完成。3段重ねのお重（19,000円）は大きさも15cmと少し小ぶりなサイズ。
「友人との持ち寄りご飯会にお稲荷さんを入れて持っていくと、見栄えがよくなりおいしいそうと受けがいいですよ。お重だからとかしこまらなくても、色々と使い回しができます」（浅川さん）
また「普段使っているものでも組み合わせ次第でお正月っぽくなりますよ」と浅川さんが見せてくれたのが、ジーンズ感覚で通常づかいできると評判の漆器工房・錦壽のパン皿（8,000円）。
「黒いほうが新しいものなんですが、使っていくうちに少しずつツヤが出てだんだん赤くなっていので、育てる喜びが味わえるんです。漆器に抵抗がなくなったのは、この錦壽さんの器を使うようになったから。油物も大丈夫だし、大事にしまっておくのではなく、毎日使うことで活きてくる器です」と愛おしいそう。
ご自宅のキッチンでお正月の器のコーディーネイトをしている浅川さん
店内の様子。テーブルの上には、さり気なくお正月の飾りつけがされている
「人の手のぬくもりを感じる物や、日常を彩る物を選ぶようにしています」と店内に置かれた器や雑貨は、どれも手の届く価格帯。浅川さんのアドバイスを参考に、普段の器選びからポイントをおさえれば、お正月しつらえもぐっと身近なものになりそうです。
「日用美」
住所：神奈川県鎌倉市材木座1-9-29
電話：0467-500-700
営業日：木・金 11:00〜16:00／土・日 11:00〜18:00
一番上の写真／WATO小笠原加純 満月盆 8,800円、濱田正明 黒色小片口鉢 2,400円、白倉えみ 徳利5,700円、アキノヨーコ ガラスALMぐい呑 2,400円
※価格はすべて税抜き
（写真・文／石黒美穂子）
