アーユルヴェーダでは消化力を大事にしますが、消化力が高いこと=お腹を壊さないとか、たくさん食べることができるということではありません。粘液やガス、酸などの余計な副産物を作ることなく、食べた物を消化し、取り込むべき養分と排泄するべきものに分けて効率的に体に取り込めるということです。なにか心身に不調がある場合は、消化力が落ちているということ。まず消化力を高める必要があります。
朝食では、この消化システムのスイッチを入れることが大切です。アーユルヴェーダでは消化を司るのは火のエネルギーととらえます。夜の間は静かに燃焼し続けた種火を大きくするような朝食をとりましょう。種火に大量の薪をくべると消えてしまうように、まだ消化の火が小さい状態で大量の食べ物を入れると、消化できないどころか、火が消えてしまいます。そのため、朝は軽めの食事にし、消化の火を消すような冷たい物はさけるのがおすすめです。お粥は理にかなった朝食といえます。
もっとも消化力が高くなる昼食は、体の組織をつくるために重要なエネルギー源となる1日のメインの食事です。バランスがよく、いろいろな味を含むものをしっかりと食べましょう。おやつは、活動によって頭のほうに昇りすぎたエネルギーをお腹に戻すようなイメージです。甘いもの、完熟したフルーツなどがおすすめです。
そして夕食では、夜寝ている間に行われる新陳代謝、体のメンテナンスをするためのエネルギーを補います。夕食が1日のメインになる場合が多いかもしれませんが、理想はすぐに消化ができる軽めの食事です。脂肪分を控えめに、スープや汁そばなどがいいですね。
人間の体は、蓮の花のように朝になると開き始め、夕方からは閉じていきます。自然と連動した体に合わせて朝昼夕食をとることは自然に調和していく第一歩になるかなと思います。
今日食べたもの:にんじんと豆腐の炒めもの
八百屋さんでみつけた葉付きの黄にんじんの味がとても濃くておいしかったので、シンプルにいただくことにしました。
そこで、先日の沖縄旅行で購入した「しりしり器」の登場です。通常のスライサーと違い、断面がなめらかではなくでこぼこができるので味がしみ込みやすくなります。にんじんのサラダやにんじんケーキも、これで作るといい具合です。しりしり器がない場合はチーズ用のシュレッダーでもいいかもしれません。
にんじんをしりしり器でしりしりします。フライパンに油を薄めにひき、にんじんをじっくり炒めます。にんじんがしんなりしたら、水切りした豆腐を加えてさらに炒め、塩で味をととのえてできあがり。にんじんのやさしい甘味が塩で引き立って、お箸がすすみます。