菜園を耕すのは、ホームレスの人びと。
職業訓練もかねる「ホームレスガーデンプロジェクト」
シリコンバレーのあるカリフォルニアのベイエリアは、IT企業で高収入を得る人が集まり、住宅価格が高騰する一方で賃金格差が拡大し、ホームレスが急増しているといわれています。
ホームレスガーデンプロジェクトは、ホームレスの人びとが菜園で1日働くことで日当が得られる上、農作業を学び、職業訓練もできるという仕組み。
収穫された野菜や花、それらで作られた加工品は、菜園内や市内にある直売所で販売されます。また、ここで栽培されいている野菜は、全てオーガニック認証つき。
菜園は一般開放されていて、直売所で用意されたカゴとハサミを受け取って自分で好きな野菜や花を収穫することもできます。この日は子ども達と一緒に収穫させて頂きました。
ホームレスガーデンプロジェクトは、ボランティアのスタッフや市民・学生ボランティア、寄付金によって運営されていて、農業を学びたい人がここを訪れてホームレスの人たちから教わることもできます。
環境にも人にも負担の多いストレス社会が進む一方で、いま、パーマカルチャー(持続可能な社会づくり)が注目されています。ここで行われている有機農法やホームレスの雇用は、まさにパーマカルチャーそのものといえるかもしれません。
野菜や花を通して、作り手であるホームレスの人たちと受け手である私たちのあいだに、目に見えないエネルギーの循環が生まれているような気がしました。