まず自分で動く、実家の片づけ
まずなんといっても一番に処分するべきは、自分の荷物。服や本など甘えて置かせてもらっていたけれど、親が暮らす家で必要のないものです。「この服は寄附にできるかしら」など言いながら、自宅に持って帰るものと処分するものにわけていると、それを見ていた親も「そういえばコレももう使わないわ」と出してきてくれます。そこである程度処分できたら、こんどは壁紙を張り替えました。ホームセンターで今の壁紙をはがさずに、上から張り替えられる壁紙を購入。壁を一新すると親もとても喜んでくれるだけでなく、ゴミやいらないものが目につくようにもなるので、また進んで処分するものを選んでくれるようになりました。
実家を空き家にしないために
そうしてある程度家の中がスッキリしたら、その流れでぜひ聞いておきたいのが、親が絶対に捨てられない大切なものです。親にいつ何が起こるか誰にもわかりません。今は想像できなくても、ちょっとした事故で入院したと思ったら、ずっと実家に戻れないままになってしまったり、突然お亡くなりになって家も壊せず空き家になり、ご近所さんに迷惑をかけてしまっているという話もあります。人ごとのようですが、なんと2013年の時点で全住宅のおよそ7戸に1戸が空き家なのです。自分の実家がそうならないためにも、親が元気なうちにこそしておきたい生前整理。1,650件の遺品整理をおこなった専門家の内藤久さんによると「実家の片づけとは、99%を捨てること」なのだそう。でもいま生活しているのに99%も捨てるわけにはいきません。そこで内藤さんはこう続けます。
むしろ大切なことは、親が何を大事にしているのか、何を残したいと考えているのか、その判断基準を共有することです。
(『親ともめずにできる これがリアルな実家の片づけです。』P62より引用)
たしかに突然つきつけられる遺品整理の中にあって、親がどうしても捨てたくないという1%を知っていれば、「どれを処分していいのかわからず、なにも捨てられない」という事態もさけられます。またあわせて交友関係も教えてもらい、その中からキーマンを聞いておけば、万が一の際にその方から他の方へ連絡してもらうこともできます。
実家を片付けることで防災面でも安心できるし、なにかあった場合でも実家を空き家にさせないですむ......。親にとっても子にとっても、お互いが安心して過ごすためには大切なことだとわかったので、これからも少しづつ進めていきたいと思います。
[『親ともめずにできる これがリアルな実家の片付けです。』]
image via Shutterstock