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「カワイイ」を開化させた、内藤ルネというアーティスト

2015/10/20 21:00 投稿

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いまや世界共通語になった「カワイイ」。CuteやPrettyとはちょっと違う日本ならではの表現方法として、海外の日本ファンを中心に人気のワードとなっています。この「カワイイ」という日本生まれの発想、実はひとりの日本人アーティストが生み出したものなのです。

カワイイの意味を180度変えた内藤ルネの作品 雑誌の表紙を飾ったルネガールからルネパンダまで、幅広いクリエイションを網羅する『内藤ルネART BOX Roots of Kawaii』。

そのアーティストとは、1950~1960年代に圧倒的な人気を博したファッション誌『ジュニアそれいゆ』の表紙と挿絵を担当したイラストレーター、内藤ルネ。

その当時、カワイイは「幼稚」「ちっぽけ」など未成熟な意味合いを指すネガティブな言葉でした。そんなある日、大人の世界に流れ星のようにあらわれたのが、内藤ルネによる「デフォルメした大きな目」と「小顔にヒョロ長いプロポーション」の、可憐で「カワイイ」女の子のイラストでした。

明るく元気な女の子を描いた作品の数々は、それまで一般的だった少女画とは異なる、まったく新しい発想のものばかり。内藤ルネの登場により、ネガティブな言葉だった「カワイイ」は、ときめくモノやコトに使うキラキラした表現に変わりました

ルネ流「カワイイ」が時代を超えて愛されるワケ 『内藤ルネ ぬりえブック』はルネのイラストから42点を厳選した大判のぬりえ本。ポップでかわいい、そしてなつかしい絵柄。

それから半世紀が過ぎ、いまではルネ作品で育った女性たちの子どもや孫もルネファンになる現象がおきています。世代を超え、時代を超えて愛される理由について、弥生美術館学芸員の中村圭子さんは次のように書いています。

「ルネの作品には、見る者の心を包み込むような暖かさとユーモラスな感覚があり、ホッとさせられる。それが今、若い世代を夢中にさせている原因のひとつではないだろうか。彼女たちは、ルネの作品の「笑わせてくれるところが好き」だと言う。その笑いとは、心を柔らかく解き放つ笑い、微笑みなのである」

(『内藤ルネ 少女たちのカリスマ・アーティスト』より引用)

「カワイイ」の原点を感じよう

カワイイ文化の開祖、内藤ルネの世界を、2015年10月21日(水)~26日(月)の期間限定で見ることができます。200点を超える原画、作品に囲まれて、ぞんぶんに「カワイイ」の原点を感じてみてはいかがでしょうか。会場では開催にあわせて発売される、作品集やぬりえブック、ポストカードも販売されるそうです。

「Roots of Kawaii 『内藤ルネ展』~夢をあきらめないで~」

期間:2015年10月21日(水)~26日(月)

時間:10時30分~20時

※最終日10月26日のみ18時閉場。入場は各日共に閉場の30分前まで。

場所:伊勢丹新宿本館6階=催物場

[内藤ルネ]

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