うどんと聞いて、まっ先に頭に浮かぶのは讃岐や稲庭。「埼玉」を思い浮かべる人はあまりいないのではないでしょうか? そんな土地で、梅雨開け頃に収穫した小麦を特別に製粉して作ったできたての乾麺があると知り、さっそく取り寄せてみました。
優しい味の麺つゆがセットになった「新小麦うどん+四季旬彩つゆ」(うどん12袋+つゆ1本2,597円)で、ざるうどんやぶっかけも。
埼玉・栃木・群馬の3県にまたがる利根川流域一帯は北海道、九州北部と並ぶ小麦の三大産地。中でもハレの日にはうどんを打ってもてなす風習のある埼玉県では、江戸時代から小麦の栽培も盛んです。県内にはローカル色の強い個性的な麺文化が根付いています。
また、埼玉県は統計的に見ても生麺生産量全国1位、うどん消費量2位、うどんそば店舗数2位と、実は讃岐に負けずとも劣らない「うどん王国」なのです。
「新小麦うどん」は30センチと通常のうどんより長めでスレンダー。「新小麦うどん」の販売元である「つむぎや」は大正元年創業の製粉工場。現在は地元の埼玉県産小麦に力を入れて、小麦粉問屋として様々な麺作りに取り組んでいます。
原材料となる穫れたて小麦は熟成途中の酵素活性が活発で水分も豊富。普通のおうどんに比べて、みずみずしいのが特徴です。茹でている途中でつまみ食いをしていたら、粉の味だけでも美味しくて、つい何本も食べてしまいました。
粉の味を嗜むなら、シンプルなパスタっぽい食べ方がオススメ。茹でた麺にオリーブオイルを絡めて、レモン汁を絞り、胡椒をパラっと振り掛けます。まるで生麺のようなモチモチ食感で粉物好き、麺好きな私はこれだけで一束ペロリといけました。
美味しく頂くポイントは茹で上がり表面のぬめりを出来るだけ残し、洗いすぎない事。この茹で上がりのぬめりにも粉の美味しさがあるのです。
先日、お亡くなりになった美食家で知られる料理記者・岸朝子さんの「全国5つ星の絶品お取り寄せ」でも紹介されているお墨付きの「新小麦うどん」。きっと、隠れうどん王国さいたまの実力に驚き「美味しゅうございました」と☆を付けたくなるでしょう。
※表示価格は全て税込価格です。
[つむぎや直営店]
住
所:埼玉県久喜市栗橋中央1-17-1
電
話:0480-52-5001
営業時間:10:00〜17:30
定休日:日曜・祝日
(写真・文・スタイリング/石黒美穂子)