映画には2組の父娘が出てきます。1組目は「アントマン」になる使命を与えられた主人公・スコットと幼い娘のキャシー。スコットは妻と離婚し、娘になかなか会えない身でしたが、それでもキャシーはスコットを愛していました。
もう1組はアントマン・スーツを開発した発明家・ピム教授とその娘でスコットの指南役のホープ。こちらの親子の間にはある出来事がきっかけで、ホープは仕事以外では父と話さないという日々が長く続いていました。
いくつになっても難しい父と娘の関係
現実の世界でも、子どものころはスコットとキャシーのように仲のよかった父と娘だけど、思春期を迎えてかみ合わなくなり、そのまま大人になってしまった......という人が多いよう。
女性を対象としたあるリサーチによれば「父親と仕事や人間関係などについて話すか」という質問に対し、話す人は4割未満というお父さんには残念な結果に。また、父親と2人で出かけることも6割以上が「ほとんどない」と答えていました。
『アントマン』でホープの心に引っかかっていたのは、父・ピム教授の母親に対する気持ちでした。かつて母は父と同じ任務についていましたが、ピム教授は母を窮地に追いやることになってしまったのです。しかし、父は一切詳しいことを説明しないため、ホープは心のなかで父を責め続けていました。そんな2人が「アントマン」のミッションを遂行するため、協力することに。ミッションが厳しいものになっていく中で、ピム教授はホープに母との任務について話し、じつは今も悔やんでいるという本当の気持ちを聞くことになるのでした。
みなさんもどこかわだかまりを抱えたまま、お父さんとうまく話せずにいたり、本当は話したいのにチャンスを逃していませんか? 大人になったからこそ、互いに気持ちをわかりあうこともできるはず。『アントマン』は単なるアクション映画ではなく、そんな父と娘の関係も考えさせられる作品です。
『アントマン』
<ストーリー>
仕事も家庭も失ったスコットに残された最後のチャンスは、特殊なスーツを着用し、身長わずか1.5センチのヒーロー、アントマンになること。最愛の娘のために猛特訓を開始した彼は、本当のヒーローになれるのか?
現在、2D/3Dロードショー
監督:ペイトン・リード
出演:ポール・ラッド マイケル・ダグラス エヴァンジェリン・リリー マイケル・ペーニャ
配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン
©Marvel 2015