上勝町は、日本で初めて「ゼロ・ウェイスト宣言」をした町。ゼロ・ウェイストとは、ごみゼロ(出てきた廃棄物をどう処理するか)ではなく、 そもそもごみを出さない、という考え方です。その上勝町が真剣に取り組む「リユース」「リデュース」「リサイクル」の3Rに刺激され共感したクリエイターたちが、それぞれの思想を見事にカタチにしたのがここ「ライズアンドウィン・ブルーイングカンパニー・バーベキューアンドジェネラルストア」。
いままでのリサイクルと量り売りを中心とした百貨店機能に加え、新たにオリジナル地ビールを作るブリュワリーと、ジビエを愉しむBBQスペースが加わり、より環境教育について考えるためのコミュニケーションスペースとなりました。
中も外も。廃材や古家具を再利用した店舗設計 店内には空き瓶や割れたコップを利用してつくった大きなシャンデリアが。廃材をこんなにすてきなアートにしてしまう発想力がすごいですね。
「ライズアンドウィン・ブルーイングカンパニー・バーベキューアンドジェネラルストア」の建築設計は、ゴミ集積所にあった廃材や家具の再利用が基本です。床には古いビルを取り壊した際に出る廃材レンガを製品化して使用。加工する際に出る規格外品を再々利用して敷き詰めるという手の込みよう。ブリュワリーの壁は上勝産の木の端材をつかっているそう。
また、ブリュワリーのユニフォームは、害獣として駆除された鹿やイノシシの皮・角をリフォームしたものを。お店で使う紙袋や封筒は、古新聞を再利用して作られているそうです。
ゴミを出さない地ビールづくり
ちなみになぜブリュワリーかというと、柑橘類の名産地である上勝町でこれまで廃棄されていた果汁を絞ったあとの柚香の皮を何か再利用できる方法はないか?と思いついたのがオリジナルのビール作りというわけ。
もっと日本でも自由で豊かな美味しいビールを広めたい、と願う本場アメリカ仕込みのビール職人ライアン・ジョーンズ氏を迎え、始められたビール造りでは、柚香のほか、ビールを作る過程でできた麦芽麹もお菓子やグラノーラなどに再利用しているそう。
もちろんゴミを出さないという視点からリターナブルボトル(繰り返し利用できるボトル)を使用。マイボトルがあれば量り売りしてもらうこともできます。
そして、地ビールを美味しく飲んでもらうにはやっぱりBBQでしょう!ということで、BBQも楽しめるスペースが設けられています。上勝村の提案するBBQはかなり本格的。徳島県産の豚や鶏、ジビエ、手作りソーセージ、そして新鮮な野菜をたっぷりと、山や棚田に囲まれた懐かしい景色を眺めながらいただくことができるのです。
上勝村の自然がもたらしてくれる豊かさをシェアし、皆で楽しくコミュニケーションを。緑あふれる自然の中で、それぞれに3Rを体験したり、自分の住むコミュニティの中で何ができるか考えてみてほしいという上勝村の提案です。
3Rのコンセプトのもと、最高にぜいたくな時間が過ごせる「ライズアンドウィン・ブルーイングカンパニー・バーベキューアンドジェネラルストア」。おいしい料理とビールを楽しみながら、ゴミを出さない暮らしを探ってみませんか。