「広く国民の間に動物の愛護と適正な飼養についての関心と理解を深める」(第4条)
を目的として実施される週間で、各地で様々なイベントが開催予定。飼い主がいない動物たちの譲渡会なども多く予定されているので、期せずとも連休中に動物たちと触れ合う機会に遭遇する人も少なくないと思います。
ふるさと納税を殺処分ゼロに活かす
そんなタイミングで、今回ご紹介したいのが犬のふるさと納税です。「ふるさと納税」とは、自身の出身地でなくても自分が「ふるさと」と思う地方自治体に寄付をすると税金が軽減されるしくみのことで、寄付をした納税者はその土地の特産品をもらえるなど、お得なサービスとして紹介されることも多いと思います。
じつは、このふるさと納税は今年の4月に改正され、新たに控除・還付額が1割から2割程度へと拡大。また、年間5自治体までの寄付の場合、確定申告が不要になるなど、納税者が税金の使い道を指定できるとして、注目を集めている制度でもあるのです。
もう少しわかりやすく説明すると、収入や家族構成により異なりますが、例えば年間4万円の寄付をした場合、2,000円を除いた38,000円が還付されることも。個人の場合、総所得の1〜2%相当額を限度に、ほぼ全額が還付・減税されるので、実質的にはほとんど持ち出しがない状態で寄付ができるしくみとなっています。
税金が犬や猫たちのいのちを救う
日本初となる「犬のふるさと納税」を募るのは、NPO法人ピースウィンズ・ジャパンが運営する「ピースワンコ・ジャパン」。広島県神石高原町に活動拠点を置く犬の保護や譲渡・育成などを行う団体で、現在は湘南エリアにも保護犬譲渡センターを設けています。
じつは、犬の保護施設がある広島県は2011年に犬猫殺処分数が全国最多を記録。そんなワースト県から殺処分ゼロの取り組みを全国に広げるため、「ピースワンコ・ジャパン」は、2013年9月から1000日で広島県の犬の殺処分をなくす「1000日計画」を掲げ活動しています。「犬のふるさと納税」は、その「1000日計画」を実現し、全国へ広げるために欠かせない大切な支援協力として、神石高原町と共にそのしくみづくりが行われました。
寄付されたお金は、災害救助犬・セラピー犬の育成や、保護犬・迷い犬の保護や譲渡、他団体と協力して行う猫の保護、そして犬のフード代や医療費の一部として使用されます。また、納税者へのお礼としては、ピースウィンズ・ジャパンが東ティモールの生産者とともにつくるフェアトレードコーヒーや、災害救援犬「夢之丞」の書籍、有機無農薬米をはじめとした広島県神石高原町や周辺地域の特産品が送られるというもの。
大切な家族の一員であるはずのペットたちですが、虐待されたり、殺処分されたり、また劣悪な環境で「商品」として繁殖させられたまま、行き場のない犬や猫たちは後を絶ちません。犬猫殺処分ゼロのために私たちひとりひとりができることは何か?と考えたとき、「犬のふるさと納税」が選択肢のひとつにあることを、ぜひ一人でも多くの人に知ってほしいと思います。