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中秋の名月がスーパームーンに変身!ハイブリッドムーンを楽しもう

2015/09/12 00:00 投稿

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ひんやりとした夜の空気に、月光が冴えわたる秋。秋といえば、お月見のシーズンですよね。昔から、1年のうちでもっとも美しいといわれているのが「中秋の名月」。今年は9月27日(日)ですが、これがスーパー級の名月で注目度大なんです!

中秋の名月とは、旧暦8月15日の月のこと。旧暦の季節区分において、秋は7月(初秋)、8月(仲秋)、9月(晩秋)の3か月間です。8月15日は、その期間の真ん中にあたるので「中秋」といいます。

なぜ今年の中秋の名月がスーパー級なのか

そのヒミツは翌日の満月にあります。9月28日(月)の満月は、今年のうちで見かけの大きさが最大となる「スーパームーン」なのです!

月が地球を周回する軌道は、楕円のカタチをしています。そのため、月は公転しながら、地球に近づいたり遠ざかったりしています。手元にボールがあるとしましょう。そのボールを自分の目の前に置けば大きく見えますが、自分から遠く離れたところに置けば同じボールが小さく見えますよね。同様に月も、地球に接近すれば大きく、遠く離れれば小さく見えるというわけです。スーパームーンとは、地球にもっとも近づいたときに生じる満月のことで、他の満月と比べて約30%も明るく、約14%大きく見えるといわれています。

日本でスーパームーンは見られません(がっかり)

さて、ここで注目してほしいのは時刻です。天体はつねに動き続けているので、地球と月の関係も刻々と変化しています。月が地球に近づくときも、満月になる瞬間も時刻で示せます。

9月28日、月が今年のうちでいちばん地球に近づくのは午前10時46分頃。そして、満月を迎えてスーパームーンになるのが午前11時51分頃。そう、午前中です。残念ながら、日本でスーパームーンは見られません(がっかり)。

日本のスーパー(級)名月はいつ?

ですが! 当日の月没時刻は午前5時16分頃です。つまり、西の空へと沈んでいく中秋の名月が、スーパームーンに近く、かなり大きく見えるということ。だからスーパー級の名月なのです!

ここで疑問に思う人もいるでしょう。「9月27日(旧暦8月15日)から28日(旧暦8月16日)に日付が変わったのに、中秋の名月といえるの?」と。確かに、日本の公の暦として旧暦(太陰太陽暦)が使われていた時代にも、夜半(午前0時)に日付が変わるという概念はありました。しかし、目の前に見えている中秋の名月が、午前0時を境にまったく別物になるというのは不自然というもの。夜そのものに境目はなくひと続きですし、昔の日本人が夜通しお月見をしていたことからも、27日の夕方から日付をまたいで28日の明け方まで、月が空にいる間は中秋の名月といっていいでしょう。

というわけで、今年の中秋の名月はスーパームーンに姿を変える特別な月です。

命名「ハイブリッドムーン」

そして、もうひとつ! なんと今年のスーパームーンは、ヨーロッパやアメリカなど大西洋方面では皆既月食に! これまた日本では見られず、かなりがっかり。
スーパームーンと皆既月食が重なるということで、NASAでも特別な天文イベントとして動画を公開していますし、欧米でも注目が集まりそうですね。

27日から28日にかけて、中秋の名月、スーパームーン、皆既月食と、これだけ盛りだくさんな月はそうそうありません。いろんな要素が混ざり合っているこの月を、私としては「ハイブリッドムーン」と名付けて愛でたいと思っています。さあ、手帳やカレンダーにしっかりと印をつけて、夜空が晴れることを願いながら、当日を楽しみに待ちましょう。地球上のどこにいても、見上げる月はたったひとつ。あなたが見ているその月を、私もどこかで見ています。

image via Shutterstock

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