ラスベガスとオーガニックのキーワードがなかなか結びつかないかもしれませんが、ラスベガス市内から10分も車を走らせば、日本では考えられないスケールの大自然に囲まれるのです。そんな「自然」がコンセプトのホテル、デラーノ・ラスベガスにあるのが、オーガニックレストランの「デラーズ キッチン」。
アメリカ最先端の食スタイル「ファーム トゥ テーブル」
巨石や木のオブジェが並ぶ、美術館のようなデラーノ・ラスベガスで、アーティスティックな空間を共有しているおしゃれなレストランです。石造りの壁などがモダンに配置された店内には、「ファーム トゥ テーブル」と描かれたタペストリーも。これは地産地消という意味で、いまやアメリカの食シーンにおいては、最先端のスタイル。「美食」の定義はまず「ファーム トゥ テーブル」と言っても過言ではありません。
新しくて贅沢な「エッグベネディクト」
デラーズキッチンは、朝食とランチのみの営業ですが、この美食を求めて朝早くから多くの人が来ています。私は午前10時頃に行きましたが、ほぼ満席状態でした。席に通され、コーヒーを頼むと、目の前でウェイターさんがドリップをしてくれて、初のサードウェーブコーヒーを体験をすることに。ここでは野菜や果物は近郊産でオーガニック、肉は成長ホルモンやステロイドを与えずに育てたネバダ・ビーフをはじめ、USDA(米農務省)お墨付きのものを使っているそう。
私がオーダーしたのは、シェフのおすすめ、ブルー・クラブ・ベネディクト。肉のかわりにワタリガニをつかった、なんとも贅沢なエッグベネディクト! ベースにはマフィンでなくブリオッシュを使っていて、ソースに絡みやすく、繊細な味と食感でした。また、ここで使われている食器類は、素朴な素焼きのものなので、時々和食を食べているような錯覚に陥りました。
デザートには季節のフルーツとして、ベリーの盛り合わせ。アメリカ西部の太陽を受けて育ったフルーツは酸味も甘みもあり、ポリフェノールもたっぷり。肌や目も喜びそう。そして最後にはマンゴーフレーバーのウーロン茶が。これも目の前で、ティーサーバーに茶葉をいれるところからのサービス。料理を運ぶウェイターさんがひとつひとつ説明をしながらサービスしてくれるので、食材や産地に思いを巡らせながら、食事を楽しむことができます。
「伝統的な農家と都会のキッチンの融合」をうたうデラーズキッチンですが、融合するのは食材だけでなく、つくる人と食べる人の気持ちも含まれていると感じた旅でした。
image via Shutterstock
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