「醍醐味という御馳走を作るときも、それを決して上等だとはせず、菜っぱ汁を料理するときも、必ずしも粗末なものと見なしてはならない。菜っぱを手にして調理するときも、まごころ・誠実な心・清らかな心で、醍醐味を作るときと同じようにしなさい。(中略)粗末な食べ物も、仏身であるこの肉体を十分に養い、悟りを目指す心もよく育ててくれるということを、よくよく思い返しなさい。粗末な食べ物も、いやしんだり、軽んじたりしてはいけない。」『典座教訓 赴粥飯法』より引用
道元による『典座教訓 赴粥飯法』は、修行道場で食を司る典座のありかたやそれを口にする修行僧の心得が書かれたものです。仏道修行をしていなくても、ここに書かれている食への姿勢は、ぜひ見習いたいなと思うのです。
ここでは、物事を差別しないことについて書かれています。どんなものであっても、心身を滋養してくれる。ほんとうにそう思います。オーガニックでなければダメとか、ジャンクな物はダメとか、そういうことではないと思うのです。どんなものであっても、もともと地球の恵みです。そこに思いをはせるとき、自然と、感謝して心を込めて作りたくなるし、感謝をしていただきたくなると思うのです。これは生きる基本じゃないかと思うのです。
そして、そんな心持ちで食に対峙するとき、作ることも、食べることも、それがそのまま瞑想になります。そうして、心と身体をほんとうの意味で養ってくれるのだと思うのです。
今日食べたもの:きのこと冬瓜のバジルクリームパスタ庭のバジルが元気です。バジルをたっぷり使いたくて作りました。
バジルは少量の水とともにブレンダーでペーストにします。
エリンギを輪切りにし(こうすると食感がいいのです)、えのきと冬瓜は適当なサイズに切ります。鍋にオリーブオイルを入れ、冬瓜がしんなりするまで炒めます。きのこ類を加えてざっと炒め、水を具材の8分目くらいまで加えて冬瓜が柔らかくなるまで加熱します。バジルペーストと豆乳を加え、塩で味をととのえます。
茹でたパスタを器に盛り、バジルクリームソースをかけ、胡椒を挽いてできあがり。パスタなしでスープとしていただいてもおいしいです。