平和な世に作られた和菓子
日本のお菓子のルーツを探ってみると、古代にさかのぼり、古代人が空腹を感じた際に食べていた野生の「古能美」(木の実)や「久多毛能」(果物)が「果子」と呼ばれるものになったと考えられています。
やがて遣唐使の時代に(630年~894年)唐朝から持ち帰った「唐菓子(からくだもの=からがし、ともいう)」が和菓子に大きな影響を与えました。この唐菓子は、米、麦、大豆、小豆などをこねたり、油で揚げたりしたもので、祭祀用として尊ばれました。その後、江戸時代になると、ようやくそれまでの戦乱が止み平和な世が続いたことで、日本中の城下町や門前町で競って独特の和菓子が作られるようになりました。これが現在私たちが食べている和菓子。
北鎌倉で秋の和菓子作りのワークショップ
和菓子の素晴らしさは、季節の味覚を楽しむことはもちろん、四季折々の草花をモチーフにするなど視覚でも自然を愉しむことにあります。季節を映した繊細な和菓子は眺めているだけで優しい気分になりますが、そんな和菓子作りに挑戦するワークショップが開催されます。
北鎌倉の谷戸に佇む古民家を改装したスペース「たからの庭」では、独創的な和菓子作りが人気を集める「手毬」のワークショップを開催。9月のテーマは桔梗の花をモチーフにした和菓子だそう。パッと目をひく色彩と、フォルムが美しい桔梗の花が手のひらの中でどんなお菓子となってできあがるのかとっても楽しみ。緑に囲まれた和の空間で、しばし日本の美を嗜んでみるのはいかがでしょう。