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森本美由紀さんの作品展へ。甲斐みのり「コンフォート雑貨のある暮らし」

2015/08/06 23:30 投稿

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麦わら帽子に、日傘に、長袖カーディガン。万全の日焼け対策をしてでかけたところで、気温と湿度と照りつける陽射しに、たちまちへとへとまいってしまいます。

弥生美術館で開催「ファッション・イラストレーター 森本美由紀展」のチラシ。弥生美術館は、姉妹館「竹久夢二美術館」の作品展もあわせて鑑賞できる。

出先でひととき涼みたいと思ったとき。少し大きな町ならば、たいていは美術館やギャラリーがある東京は好都合。陽の光から逃げるようにすたこらと、涼やかな場所へと駆け込んで、館内にカフェやベンチがあればひと休みしてから、あらたな気持ちで絵画や作品と向かい合います。そのため日頃より、今はどの美術館でどんな展覧会が開催されているか、可能な限り心に留め、必要なときにすっと引き出しをあけるようにしています。

この夏、みなさんの引き出しにも入れておいていただきたいのが、ファッション・イラストレーター。森本美由紀さんの展示。森本さんは80年代から、『mcシスター』『Olive』『VOGUE』など数々の雑誌で活躍したばかりか、90年代にはピチカート・ファイブのCDジャケットや、フランス映画のパンフレットも手がけ、「渋谷系」と呼ばれたカルチャーのアイコン的な存在でした。

森本美由紀さんの岡山のアトリエの風景はじめ、30年の軌跡がつまった1冊。『女の子の憧れを描いたファッションイラストレーター 森本美由紀』。

私も、10代の終わりから20代はじめ、着飾ることや音楽や映画に最も夢中だった頃、森本さんのポスターを部屋に貼ったり、森本さんが描く女性に憧れたり、熱心に支持したファンのひとり。京都のイラストスクールに通っていたときは、講師だった森本さんの、クロッキーの講座を受けたこともあります。

そんな森本さんが、54歳の若さで急逝したのが2年前の2013年。突然の訃報に、私も、90年代に青春を過ごした同年代の友人たちも、言葉を失い胸をいためました。

弥生美術館」で9月27日(日)まで開催されている「ファッション・イラストレーター 森本美由紀展」では、森本さんのアトリエに残された約500点の作品(会期中入れ替え制)を通して、30年の軌跡を辿ることができます。見つめるうちにすくっと立ち上がり、今にも動きだしそうな、のびやかでなめらかな森本さんの筆致をぜひ間近でご覧になってください。

左:パール ブックショップ&ギャラリー「夏のタマちゃん祭り」案内状。右:『mcシスター』に連載された漫画「タマちゃん the Onion」全29回や、スタイル画も満載の『タマちゃん the Onion もうひとりの森本美由紀』。

8月9日(日)まで、小さなアート系出版社「888ブックス」が運営する「パール ブックショップ&ギャラリー」でも、「夏のタマちゃん祭り」と題し、森本美由紀さんの展示が開催されています。タマちゃんとは、森本さんが生み出した、愛らしくもシニカルかつ哲学的なタマネギのキャラクター。80年代には『mcシスター』でコミックが連載されていました。

パール ブックショップ&ギャラリーで販売されている、タマちゃんテープ。

パール ブックショップ&ギャラリーは、代々木上原と幡ヶ谷のちょうど真ん中あたりに、この7月にオープンしたばかり。樹齢50年の桜の木に見守られるように建つ「パールマンション」の一角にあります。お隣は、緑に囲まれたテラス席もあるコーヒーショップ「パドラーズコーヒー」。汗をかきつつ辿り着いても、涼みながらひと息つける場があるのでひと安心。

パール ブックショップ&ギャラリーのお隣は、パドラーズコーヒー。

弥生美術館、パール ブックショップ&ギャラリーともに、図録としても読める森本美由紀さんの作品集が並んでいるのでお手にとってみてください。

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