それは、自分が「人生の主人公」になるということです。
自分を卑下する気持ちを手放す自分が人生の主人公、ということは言葉ではわかっていても、「動じない自分になっているか」と問われると、なかなかそうとも言えない。本当の意味では「人生の主人公」になっていないからなのかもしれません。
たとえば、嫌なことが起きたとき、つい「あの人はいいな」「どうせ自分は」と他人と比較したり、自分を卑下したりする気持ちが起こりますが、それは、人生の主人公になっていないからだ、と枡野さんは言います。
人と自分を比べて嫉妬してみたり、自分が持っているものではなく、持っていないものばかりを探して落ち込んでみたり......。つい感情的になってしまうのも、自分ではなく、相手を自分の人生の「主人公」にしているからです。
(『怒らない禅の作法』P51より引用)
自分が主人公であれば、その場その場で、ただ受け止めるだけ。他人より勝たなくては、といった思い込みを手放すことがまず大切なのかもしれません。
子どものころの自分をイメージしてみる「人生の主人公」になっている人のイメージとして、枡野さんが挙げているのは子どもの姿です。
子どもの頃、あなたは毎日毎日、時間を忘れて遊んでいたのではないでしょうか? 自分の好きなことにひたすら没頭していたのではないでしょうか?
その時、あなたは自分を卑下したり、人と比較して落ち込んだりはしていなかったはずです。自分の人生の主人公だったはずです。
(『怒らない禅の作法』P51より引用)
子どもの頃に、時間を忘れて自分のやりたいことに集中したように、今を生きる。そのことが人生の主人公になるための大きなヒントになりそうです。
[怒らない禅の作法]
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