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1000種類以上のモノから選んでつくる、自分だけの標本箱

2015/07/31 23:00 投稿

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幼いころ、光るものや透明なもの、香りのするものを夢中になって集めた記憶があります。集めるのも楽しく、並べて眺めることでも気持ちが満たされました。しばらく忘れていた、そんなワクワク感が、ある展覧会でよみがえってきました。 「観察して集める楽しさ」を思い出す展覧会

上野の東京都美術館で開催中の「キュッパのびじゅつかん―みつめて、あつめて、しらべて、ならべて」。絵本『キュッパのはくぶつかん』に関連する展覧会です。絵本に関する展覧会と聞くと、原画を楽しむ、という内容を想像しがちですが、この展覧会は、絵本の物語を入口に、観察や収集から生まれるアート作品や、その面白さを参加型の作品で楽しむというもの。

絵本のなかでは、主人公の丸太の男の子、キュッパが、いろんなものを集めます。葉っぱや木の実からはじまって、曲がった釘や壊れた椅子、パイプのようなものまで。そんなガラクタともいえるものもキュッパが並べて分類するとなかなか素敵。そこから、はくぶつかんを始めて......とお話は続きます。

日比野克彦《bigdatana-たなはもののすみか》イメージスケッチ2015年

そんな世界観を踏襲した展覧会の一番のみどころは、吹き抜けの大きなフロアに作られた参加型の作品、日比野克彦さんの『bigdatana-たなはもののすみか』です。そこには1000種類以上のモノたちが無造作に並べられていて、観客は箱を手に持ち、フロアをまわりながら気になるものを選んで自分の「標本箱」を作ります。ボタンやリボンに機械の部品、といったモノから自分なりの視点で選ぶ行為は、ちょっと編集作業にも似ています。楽しくてつい没頭してしまいました。

できあがった「標本箱」にはタイトルをつけて、大きな棚に並べます。誰かが作った「標本箱」を見るのも楽しいもの。友人や恋人、子どもと行ったら、相手がどんな「標本箱」を作るのか、きっと新たな発見がありそうです。

栗田宏一《SOIL LIBRARY / TOKAI》2014年

ほかに、キュッパのような活動をしているアーティストの作品のコーナーも。驚いたのが日本全国の「土」を集めているさんの栗田宏一さんの作品。ずらりと並べられた土は、青みがかった土から赤みの強い土まで、色見本のチャートのよう。土にもこんなに豊かな色彩がある、というのは収集して初めて気づくことかもしれません。

絵本をまだ読んでいない!というひともご安心を。展覧会は、絵本『キュッパのはくぶつかん』のストーリーを映像で観るコーナーからはじまります。

[キュッパのびじゅつかん―みつめて、あつめて、しらべて、ならべて]

日時:10月4日(日)まで 9:30〜17:30 (入室は閉室の30分前まで)

夜間開室:金曜日は9:30〜21:00 ※9月11日(金)と9月18日(金)を除く

休室日:月曜日 ※9月21日(月・祝)は開室

会場:東京都美術館 ギャラリーA・B・C

対象:小学生以上~大人 (未就学児は保護者同伴で入場可)

観覧料:一般 800円、ほか 学生400円 高校生以下無料

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