お月見のトップを飾るのは「中秋の名月(十五夜)」です。中秋の名月とは、旧暦8月15日の月のこと。
旧暦の日付を、私たちが日頃使っているカレンダー(新暦)に当てはめると、今年の中秋の名月は9月30日(日)です。
じつは、中秋の名月は必ずしも満月というわけではないのですが、今年はちょうど満月と重なります。なんだか得した気分ですね。
お月見のルーツは、平安時代に中国から伝わった名月観賞の風習だと考えられています。日本に古くから存在する中秋の名月は、現在でも秋の風物詩として馴染みがありますが、お月見は中秋の名月だけではありません!
次に見逃せないのは「十三夜」です。これは、旧暦9月13日の月のこと。今年は10月27日(土)が十三夜に当たります。中秋の名月が中国由来の風習であるのに対して、十三夜は日本独自のものとして成立したといわれています。
中秋の名月または十三夜のどちらか一方のお月見しかしないことを「片月見」といって、昔から縁起が悪いと忌み嫌われていました。ですから、星ガールとしてはぜひとも「セット」でお月見を楽しみたいところです。
そして、もうひとつオススメなのが、おもに東日本を中心に愛でられていた、旧暦10月10日の十日夜(とおかんや)。この時期には刈り入れが終わることから、田の神様が山に帰る日とされ、神様の化身である案山子を家へ持ち帰ってお祭りする地方もあり、お月見が行われていました。今年の十日夜は、11月23日(金)です。
中秋の名月、十三夜、十日夜を合わせて「三月見」といいます。3夜とも空が晴れて月を見ることができると、大変縁起がいいといわれています。これまで中秋の名月しか気にしていなかった人は、「三月見」に挑戦してみてはいかがでしょう?
ではもう一度、お月見スケジュールを確認しておきましょう。
・中秋の名月(旧暦8月15日)……9月30日(日)
・十三夜(旧暦9月13日)……10月27日(土)
・十日夜(旧暦10月10日)……11月23日(金)
お月見をするときのポイントは、夜空を見上げた時、月に雲がかかっていたとしてもすぐにあきらめないこと。時間の経過とともに空模様が変化して、雲の切れ間から見事な月が姿を現すことがあるからです。すぐに結果を求めず、焦らずゆっくりと自然と対峙してみてくださいね。
さて、初めて月に降り立った人物として世界的に有名なアポロ11号船長、ニール・アームストロングが、先月(2012年8月)に逝去しました。そして今年は、1972年に人類が最後に月に降り立ってから40年という節目の年でもあります。
この秋はお月見をしながら、人と月との関係に思いを巡らせる機会となりそうです。
text by 景山えりか(文筆家/アストロ・コミュニケーター)
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ライフスタイル誌を中心に、ナチュラルコスメ、ハーブ、ホリスティック医療などの取材記事を多数執筆。MYLOHASではオープン当初よりライターとして参加。その一方で、アストロ・コミュニケーターとして、星空や天体ショーの楽しみ方、月や星の文化、宇宙系グッズやイベントなどを各種メディアで紹介。星や宇宙を「自分に関係のあること」として楽しんでもらえるように多方面で活動中。著書に『自然とつながる暮らしかた 空の向こうは私のうちがわ』(講談社)。
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