それは、オリーブの絞りかすからできたバーベキュー用の「エコ炭」です。
この「エコ炭」は、同都市内の建設会社を経営するディミトラ・コタリディ氏が少しでも不況を乗り切ろうと、あまりに余った大量のオリーブの絞りかすを有効利用する計画をたてたことから生まれたもの。もともとのアイディアを持っていたのは、亡くなったお祖父さん。昔は、工事現場で使用された石灰を廃棄するのに、このオリーブの絞りかす(8~10%のオイルを含んでいる)と石灰を混ぜ、1,000度の高熱で燃やしていたのだとか。
そこからヒントを得て、コタリディ氏がバーベキュー用の炭を作り売り出すことを考案。絞りかすをまず乾かし、よく挽いたのちに、でんぷんを加え、オリーブの形に可愛らしくプレスして「エコ炭」は完成しました。
ギリシャといえば地中海料理で有名ですが、それを代表するのがオリーブ。ドイツでもギリシャ産の濃厚なオリーブオイルはイタリアと並び、とても人気です。
ギリシャを紹介したサイト「ノスティミア」によると、オリーブオイル生産量世界第3位を誇るギリシャ産の75%は、最高級品と呼ばれるエクストラヴァージンオイルなのだそう。それに対しイタリアは50%、スペインは30%しか生産されていないといいます。美しい自然が与えてくれたこれら大きなめぐみは、絞りかすまで余すところなく有効利用できるようになったのです。
現在、市場にあるバーベキューなどに使用される炭を、このエコ炭に切り替えることで、排気される二酸化炭素量が従来の3分の1にまで減少するそう。火力も十分(1gのエコ炭で6,366キロカロリーもの熱量を持つ)ということですから、バーベキュー以外にも使い道は広がるかもしれません。
ローマテリアルを使用したこのようなアイディアに代表されるように、これからも新たなエネルギー対策が発見されていくことに期待したいです。
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