そんな問いが頭をよぎったとき、心を軽くしてくれるヒントが曹洞宗の住職で庭園デザイナーの枡野俊明さんの著書『禅が教えてくれる美しい時間を作る「所作」の智慧』(幻冬舎)のなかにありました。
働くとは「傍(はた)を」「ラクにする」こと枡野さんは、働くことは生きる喜びにつながるはず、と言います。
働くという言葉は「傍(はた)を」「ラクにする」ことに通じています。自分が一所懸命働いて、周囲をラクにする。これは仏教の「利他」という考え方にも似ています。自分のことはひとまず措いて、他人のことを考える、他人のためになることを率先しておこなう、というのが利他です。
(『禅が教えてくれる美しい時間を作る「所作」の智慧』p136より引用)
「仕事によって自分がどうしたいか」という思いをいったん脇に措いてみる。働くことは自分のためではなく、「だれかのため」と視点を変えてみると、働く意味がすっきりして、「仕事が楽しいかどうか」は、そんなに重要なことに思えなくなります。
周囲をラクにするために無心になってはたらく。その軸がブレなければ、迷うことはそんなになくなるはず。そして、きっとその先に、仕事に対する充実感が待っているのではないでしょうか。
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