ヨーロッパの観光都市、ベルリン。最近、ベルリンで旅人たちに人気なのが「Vostel フォステル」という観光形態なのだそう。いわゆる「ソーシャル・ツーリズム」と言われるもので、社会貢献と観光を兼ねたもの。
観光滞在中にボランティア活動やさまざまなプロジェクトを現地で行うことで、旅がより思い出深いものになり、何より人と街、双方に利益をもたらすという素晴らしいアイディアなのです。
活動は多岐にわたるので、自分の好きなものをチェックして選ぶことができます。ベルリンに来て街をキレイにしたり、木を植えたりする活動を通じて、さまざまな人との交流が可能です。参加したある女性はこのようなコメントを残しています。
市民の声から生まれたフォステル「土曜日、ベルリンのフードバンクでボランティアしたのは、短い間だったけど良かったわ! ほかにもマレーシア、ベネズエラ、ベラルーシからもボランティアが参加していたの。大家族のようで居心地が本当に良かった! すばらしい経験ができた。ありがとう!」
(フォステルのサイトより引用)
「ソーシャル・ツーリズム」について現在ではさまざまな解釈があるようですが、ベルリンでフォステルが生まれたきっかけというのは、実は市民の声から。
年々大幅に増え続けるツーリストがもたらす経済効果も大きい反面、静かだった日常生活が奪われたと地元市民が感じ出し、イライラが募るといったことがありました。
マナーの悪い「輩」はほんの一部の観光客だけです。しかしながらそういった残念な一部がたとえば住宅地で大きな声をあげたり、どこでも構わず写真撮影をする。ひどい場合では交通状況に大きな影響が出たり、ベルリンの街としての景観を損なう行動をとることも。
そういった意味で、「好意的な旅行者」を増やすフォステルはとてもいいアイディアだったと言えそうです。サイトでは語学力(ドイツ語)を必要とする活動と、ドイツ語でなくてもOKというオプションが選べるだけでなく、「アクション・デイ」と言われるものがあります。ひとりで参加するのには気後れするという人は、こういった機会を利用し、大勢でのボランティア活動に参加するのも楽しそうですね。
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