この答えは、現在世界中で採用されつつある「バンプ・マーク」というもので解決できるのかもしれません。2014年にはイギリスの「ジェームズ・ダイソン・アワード」を獲得した、非常に画期的なアイデアです。
バンプ・マークとは、生鮮食品などのパックの表面に張り付けるゼラチンでできた三角形シールのこと。動物の骨内に含まれているコラーゲンを加熱抽出した動物性のゼラチンとプラスチックの「シール」とが何層にも重なった形で作られています。
なぜゼラチンとプラスティックでできているの?このシール、食品が新鮮なうちは表面がツルツル。しかし時間の経過とともにパッケージ内で増えるバクテリアがこのツルツルしたゼラチンの部分を食べ壊すことで、ゴワゴワの手触りに変わり、触覚で賞味期限が過ぎたとわかるのです。使われるゼラチンの量を変えれば、生鮮食品から日持ちするチーズなどにも対応できます。
本当の賞味期限がわかれば、ゴミが減らせる
発明者で、デザイナーのソルベイガ・パクステイさんは、英国「ガーディアン」の取材に対し、まだ改良の余地があるとコメントしています。
というのも、目の不自由な方が新鮮な食品を正しく購入し、賞味期限中に食べることができることだけでなく、ゴミの廃棄量を減らすことができると考えているからです。賞味期限に問題がなくとも、見た目が悪いだけで手にもとってもらえずに廃棄されてしまう食品の数々は世界中で問題視されていますよね。
さらに見た目を良くして質をごまかす食品偽装がある点からも、本当に質の良いものの本当の賞味期限を、もっとわかりやすく消費者に知らせることができることは優れたアイデアだと思います。
ゼラチンというエコ素材を使った発明。日本でも採用される日が近そうです。
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