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聖二さんの竹細工。甲斐みのり「コンフォート雑貨のある暮らし」

2015/05/21 23:30 投稿

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5月の初旬に出店者として参加した「東京蚤の市」。日本各地の伝統工芸・地場産業・職人さんたちとコラボレーションして製作したオリジナルの商品を販売しました。

「第7回 東京蚤の市」で販売した、竹りぼんの箸置き。

滋賀・信楽焼のウォーターボトル、広島・宮島の木のカトラリーセット。東京・職人さんの手づくり缶など。普段は運営するウェブショップ「ロル」での販売が主となるため、手にとっていただきながら直接おはなしできるのは貴重な機会。

そんな中、一番の人気で完売したのが、この日のために企画・発注をした、大分・別府の"竹りぼんの箸置き"。つくり手は、長年に渡り親戚のお兄さんのように慕うデザイナー・網中聖二さん。イラストレーター・網中いづるさんの旦那さまです。

薄くはいだ竹をくるっとりぼん型に結ぶのですが、竹を小さくきゅっと結ぶのも、職人の技術を要します。

網中夫婦が、故郷である大分と東京を行き来することになったのは3年ほど前。以来、ふたりがアトリエを構える別府を定期的に訪ね、大分県内のあちらこちら案内してもらっています。

聖二さんから竹細工の勉強をしていると聞いたのは、2013年の6月頃。別府が竹細工の盛んな町と知り、カルチャースクール感覚で週に一度、「別府市竹細工伝統産業会館」に通いはじめたと。最初は、1本の竹からヒゴ(竹編みする素材)をつくって編み上げる作業からスタート。想像よりずっと手間ひまがかかることに意表ながらも、竹細工の奥深さに惹かれていったそうです。

別府には、大きくわけて2つの無料の竹細工スクールがあります。ひとつは、聖ニさんも通い、65歳までの年齢制限がある「別府市竹細工伝統産業会館」。もうひとつは、39歳までの年齢制限があるため、若い方たちが通う「竹工芸・訓練支援センター」。後者は定員が10名で、2年間みっちり竹細工の修行をおこなうため、竹職人の跡継ぎが技術を磨くために県外からやってくることもあるそう。こちらを卒業したあと、今度は個人の先生につき、師事するのが一般的な竹職人道。

網中聖ニさんオリジナル作品、フランスパン専用のカゴ!

聖ニさんは「竹工芸・訓練支援センター」の年齢制限外だったため、「別府市竹細工伝統産業会館」に通いながら、個人の先生にも師事するという独自のコースを辿っています。そんな聖ニさんの師匠は、大谷健一さん。竹全般の知識もさることながら、様々なカルチャーに精通する、若手職人希望の星。英語をはなすことができ、ロサンゼルスやミラノの竹細工の展示会も手がけています。最近、師匠(大谷さん)と弟子(聖ニさん)とで、温泉街の一軒家を自分たちの手で改装し、アトリエとしての活用をはじめました。

網中聖ニさんの竹ザル。美しい編目。

網中聖ニさんの竹カゴ。私は、おやつ入れに活用しています。

春に別府を訪ねた際、別府の竹細工専門店「bamboo bamboo」で、リボン型の箸置きを見せていただき、聖ニさんにも「このリボンの箸置きをお願いします」と発注しました。

竹リボンの箸置きは、見た目よりはるかに時間と技術を要するもの。4枚はぎという技術を用い、1ミリの厚さのヒゴを4枚=0.25ミリにはいでいきます。なぜ4枚にしなければいけないかというと、1ミリの薄いヒゴをそのまま結ぼうとすると、途中で折れてしまうから。

竹細工職人・大谷健一さんと、網中聖ニさんが、DIYでつくりあげた竹細工のアトリエ。

聖二さんは、今も別府の温泉街で、竹職人道を歩んでいます。スタンダードなザルやカゴもつくられていますが、「フランスパンカゴ」なるものを独自につくり出したり、発送も豊か。これから聖ニさんと、いろいろな竹細工をコラボレーションで編み出せるよう、私も勉強せねばです。

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