自分の将来や、恋愛や、会社での人間関係、親戚同士のつきあいかた、友だちとの距離感......数え上げているときりがないかもしれませんが、考えてみると、そのほとんどは「対人関係」と言ってもいいのではないでしょうか。
怒りをコントロールする方法その対人関係の悩みをいかに解決するのかを、精神科医の名越康文先生は『自分を支える心の技法』(医学書院)のなかで、こう語っています。
対人関係やコミュニケーションの問題を解決するにはどうしたらいいのか? 最初に結論をいってしまうと、それは「自分の心をいかにコントロールするか」に尽きるのです。
(『自分を支える心の技法』p14より引用)
自分の心がコントロールできていれば、対人関係は改善されていく......そんなことを言われても、理不尽なことを言ってくる同僚や、うるさい親戚など、外からの声に常に心穏やかにいるにはどうしたらいいのでしょうか。
本書の中で、生じた「怒り」をいかにコントロールするかが紹介されています。
自分の怒りを観察する、ということは騙されたと思ってやってみていただきたいんです。
(『自分を支える心の技法』p100より引用)
怒っている、と認識するだけで変わることができるそうです。
そして怒りがあるな、と思ったら、気持ちをリセットする。例えばていねいにお茶を入れるとか、ちょっとした公園の散歩とか。本書の中では大木に抱きつく! というものが紹介されています。
自分の心は自分のものだから「あの人のせいで、私は明るい気持ちになれない」という、自分の心を他人に支配されてしまう人生からは、なんとかして脱却したほうがいいんです。
(『自分を支える心の技法』p118より引用)
当たり前の事ですが、自分の心は自分のものです。
他者のせいで波だったり、悲しい気持ちにさいなまれることは仕方がないことかもしれません。とはいえ自分をコントロールするコツさえ掴めば、外からのアクシデントによって振り回される事は減らすことができるのです。
そうして自分の心を守れる自信がついたら、悩みというものは思いがけず消え去ってくれるのではないでしょうか。
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