アナ・ケンドリック演じる主人公・キャシーは愛の終わりから出会いまでを振り返り、相手役のジェレミー・ジョーダンが演じたジェイミーは出会いから別れまでをたどっていく......。そんな2人が気持ちを共有できたのは、愛を分かち合った結婚式だけでした。
彼女は挫折続き、彼は成功を手に入れてジェイミーのひとめぼれで始まった2人の恋愛。当時、キャシーは女優を、ジェイミーは小説家を目指していました。キャシーはオーディションを受け続けるものの、なかなか役がつきません。
いっぽう、ジェイミーは23歳にして手掛けていた小説が大手出版社の目に留まり、ベストセラーに。さらに文学賞候補にまで名前が挙がり、夢を実現していきます。地方公演に出るのがやっとのキャシーは、彼の成功を見るたび、2人の心が離れていく不安を感じていたのでした......。
「愛」と「夢」を手にすることはできるもの?さて、現実の世界で考えてみると、今や夢を追いかけて努力する女性は少なくありません。しかし、もし自分のパートナーも何か夢を持ち、自分より先に成功したとしたら、あなたはどう感じますか?
映画の中でキャシーは「私には彼の成功も自分の一部」と言い聞かせ、「ジェイミーの奥さん」と呼ばれることにも耐えていました。でも、パートナーと同じように肩を並べたいと思っていたなら、そうした状況を素直に受け入れられるでしょうか。
「夢」と「愛」、その両立は簡単ではないと思います。時間や心のすれ違い、それぞれの成功と挫折、そうしたできごとも、ときにあることを想定し、互いを見つめる冷静な心を持つ......。それが、夢を持ちながら、相手への愛情も忘れないひとつの方法かもしれません。
キャシーとジェイミーは、いつしか相手が見えなくなっていました。でもそうではなく、きちんと向き合い、愛情に満ちた「同志」として共に夢を実現できる関係を築けば、時に手を差し伸べ、助け合いながら階段を上っていけるはずです。
[ラスト5イヤーズ]
監督:リチャード・ラグラヴェネーズ
出演:アナ・ケンドリック、ジェレミー・ジョーダン
YEBISU GARDEN CINEMA、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開
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