私は昭和に育ったので、おせんべいにチョコレート、カステラなどでしたが、今でも美味しかったなぁとしみじみ思い出すのは、祖母が作ってくれた草餅やクッキー、ミルクゼリーなどの手製のおやつです。市販のお菓子も美味しいものは沢山ありますが、手作りのおやつが特別なのは出来立てホヤホヤなところです。キッチンから漂ってくる素朴で甘い香りが、部屋にふんわりと広がります。
ワ〜イ!と手に取ると、焼きたてで熱くホクホクしていたり、冷蔵庫から出したばかりで冷んやりしていたり。手作りのおやつは美味しいだけでなくて、嬉しくて何だか幸せな気分になる特別な時間でした。
そんな事を思っていた時に、赤ちゃんとママ社からとっても素敵な本を頂きました。フード・スタイリストの江口恵子さん薯の『作って伝える 郷土ほっこりおやつ』、日本各地に伝わる手作りのおやつの本です。
甘さ控えめで、素朴なおやつはどれもこれも本当に美味しそうで、ベージをパラパラとめくっているだけでよだれが出てきそう......。
小麦粉や米粉、芋などを使った手作りおやつは見た目も地味なのに、なぜこんなに美味しそうなのかと不思議に思います。
どれもこれも、昔食べたことのあるような感じがするからかもしれません。大好きだった祖母と一緒に過ごした、あの優しい時間に一瞬タイムトリップしたような、幸せで切ない気持ちになりました。
私も母親になった今、お団子やアンパン、ビスケット、マフィンなどを娘によく作ってあげています。この本のおやつも沢山作っています。簡単なのに美味しいものばかりで、ずっと手放せない大切な一冊になりそう。
娘が大人になった時に、「あぁ美味しかったなぁ〜。お母さんのおやつ、また食べたいな」などど思い出してくれたら嬉しいなぁ。