こんにちは。マリアージュカウンセラーの斎藤芳乃です。
春の陽射しを感じる日が増えてきましたね。衣替えはもうお済みでしょうか。綺麗な色のワンピースに、春色の化粧品。心を華やがせるように、気分も一新して、春を迎えたいですよね。
この時期、私のところにも「新しい自分になりたい!こんな風に変わりたい!と願っても、変われないんです」というお悩みがよく寄せられます。
成長したい、新しい自分になりたい、と真剣に願っているときほど、過去の自分や、ときどき思い出されるネガティブな記憶にひっぱられてしまう......ということが多々あります。
この「ネガティブな記憶」はどのように処理すれば、クリアにすることができ、そして新しい自分に生まれ変わっていくことができるのでしょうか?
私たちは普段の生活の中で、苦しみや悲しさを伴う経験は「ネガティブなこと」として捉えています。そしてそれらを「ポジティブなこと」として捉えなおすことは、ほとんどありません。
けれども、実際には、そのひとつひとつの経験は「ただ嫌なできごと」なのではなく「自分自身の美しい感受性や、誠実さがあったからこそ感じたこと」なんですね。そのように見るとき、私たちは経験を通して感じたことを、ネガティブでどうしようもないものではなく、「自分自身が体得した智慧」にすることができるんですね。
悲しい経験があったからこそ相手に共感し、理解することができます。苦しい経験があったからこそ「相手がどんな状態なのか」を言葉で伝え合わなくても察することができるのです。そのような経験によって、感受性や、女性性は育まれていきます。
これまでネガティブなものとして影響を受けていた過去の記憶の中に、素晴らしい自分自身の感受性の存在に気づくことができれば、それを開花させながら、そこから愛する人に対して温かいコミュニケーションをとることができるんですね。
●私らしさとは、経験の中からも生まれるもの痛みは痛みとして終えるのではなく、私たちの智慧に変えることができます。
こうして私たちが経験したことから学んだことを軸にし、誇りにすることによって「自分が人生で得た学び」を「自分だけの学び=アイデンティティ=自分だけの輝き」とすることができるのです。
普段、人の心に敏感でたくさんの苦しみを経験された皆様であればあるほど、より強い美徳として、そしてより強く美しい女性性として、すでに存在しています。美しさとは、決して「明るい」ものの中にだけ存在しているのではありません。闇の中から見出した光、それはまぎれもなく、あなただけが持っている光そのものなのです。
●あなたは過去、どんなことを乗り越えてきましたか?それでは改めて質問しますね。
あなたは今までの人生の中で、つらい体験や苦しみの中から、どんな素晴らしいものを見出してきましたか?
たとえば、それは苦しいことがあったとしても、流されずに自分の意思や正義を貫いた......ということかもしれません。
その時、一時的に分かってくれる人がいなかったとしても、あなたが正しいと信じて行動したことは、今もあなたが誰かをかばうための思いやりになっているかもしれません。
あるいは、つらい経験をしたからこそ、他人には優しくしよう......人間関係に怯えながらも、それでも優しさを忘れずに人に接してきたという事実かも知れません。
怠惰にならないようにと、真面目に人生を送ってきた、仕事をずっと忍耐しながら続けてきた、ということもあなたの素晴らしい魅力です。
このように、ただつらい過去で終わらせるのではなく「そこからあなたが得たもの」に意識を向けることができたとき、過去は癒され、それを乗り越えた新しい自分として、生まれ変わることができます。
どうかご自身の人生から学ばれた経験をご自身のものとして、それを宝物として誇ってあげてくださいね。
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