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ホテルオークラ東京でフレンチトーストの朝食を。甲斐みのり「コンフォート雑貨のある暮らし」

2015/03/26 23:30 投稿

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はじめて口にしたのは、上京したての14年前。始発に近い電車に乗り込み、虎ノ門の「ホテルオークラ東京」へ。風格があり静謐な佇まいのメインダイニング「オーキッドルーム」で、白いクロスをぴんとはったテーブルに向かい、これからこの町で、新たな暮らしをはじめるのだと背筋をのばした朝。叶えたいあれこれを頭の中でイメージしながら、ナイフとフォークを手に、いつか東京でと憧れていたフレンチトーストを味わったのが随分昔のことのよう。それからしばらく気持ちを切り替えたいことがあると、同じ味を求めに朝のホテルを訪れていました。

フレンチトーストは、「オーキッドルーム」の朝食(7時~10時)だけでなく、ティータイムでも提供。「シェフズガーデン」ではテイクアウトもできます。

ホテルオークラ東京の創業は、東京オリンピック景気にわく1962年。建築家、谷口吉郎を中心に、当時の日本で最高の建築・工芸技術を集結し、世界各国から来日するゲストに日本的建築美を伝える役目も果たしました。そんな50余年の歴史あるホテルオークラ東京本館が、建て替えのため2015年8月末をもって一時的に営業を終了することに。その後は新本館が建設されるので、現風景に身をおけるのも残りわずか。きっと営業終了前は混雑するだろうと、まだ落ち着いている今のうちにと予約を入れて、朝のホテルでフレンチトーストを味わってきました。

「オーキッドルーム」には、本館ロビー同様、柔らかな光の「オークラ・ランターン」が。

静謐さが漂う、朝の本館ロビー。

フレンチトーストは1日に提供できる数に限りがあるため、確実に味わいたい方は予約必須。牛乳、砂糖、バニラエッセンスを溶き混ぜた卵液に、厚切りのサンドイッチブレッドをまる1日漬け込み、低温のオーヴンで全面がふっくらこんがりキツネ色に染まるまで、約15分ほど焼き上げます。添えられたメイプルシロップなしでも十分に甘く、ぷるんとした弾力はまるでプリンのよう。手間をかけた贅沢な味だけれど、姿は潔く素朴。にこやかな笑顔ときりりと軽快な身のこなしのウェイターと会話を交わしながら、朝のひとときを過ごしました。

本館ロビーは、待ち合わせや打ち合わせにも利用されています。

朝食後は、日本古来の美しい紋様が、壁に天井に照明に、ちりばめられた館内探訪。「オークラ・ランターン」と愛称もある切子玉形の照明が優しく照らす本館ロビーから、棟方志功原作の鳥を谷口吉郎がモディファイした屏風型壁画のある別館ロビーまで、ぐるりとひと巡り。

本館階段の壁。タイルの模様も絵画的。

別館ロビーで、思い思いに過ごす客人。

別館ロビーには、屏風風壁画が。

本館宴会場前廊下の、亀甲紋の照明。

創業当時からの伝統の味。「シェフズガーデン」の甘酸っぱい「レモンパイ」をおみやげに。

2020年に開催される東京オリンピックを前に、少しずつかわりつつある東京の風景。大切なものはいつもで記憶の中で再生できるように、しっかりじっくり見つめておかねば。

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