気付いたらあっという間に一週間が過ぎていた。それどころか、一年が信じられないほど短く感じる......。仕事もしていたし、家族のなかでもいろいろあったけれど、それでも何も成しえていないような、人間としての成長が停止しているような気持ちの置きどころのなさを感じたことがあります。

そんな時に手にしたのが、精神科医・名越康文先生の著書『驚く力』(夜間飛行・刊)。

漠然と過ぎてしまう人生なんてもったいない、日常を驚きをもって過ごすことでより豊かに生きることができる、とそこには書いてありました。

日常を驚いて過ごすための3つのコツ

確かに、驚きこそ成長のエネルギーになるもの。でもこのプロローグを読んだ私は......

「そんなこと言ったって、子どもじゃあるまいし、いちいち驚いてなんていられない!」

と思ってしまったのです。

そんなありきたりな感想に対してこの本は、驚くための3つのコツを示してくれました。

ひとつ目は、目的意識を持たないこと。なぜならば、

「目的意識」には限界がある

(『驚く力』p17より引用)

確かに、よくよく考えてみると、目的というものは自分で自分を囲ってしまった檻のようなものです。想定外の「驚くべき結果」は、目的達成ではけして得られません。

ふたつ目のコツは、目の前のものやできごとにラベルを貼らないこと。

「これはポテトサラダね」と思ってポテトサラダを食べたら、ポテトサラダの味しかしません。眼の前の出来事を、自分の五感をフル活用して感じ取ってみると、いつになく新しい驚きがありそうです。

三つ目のコツは、ちょっとした気持ちのありかたを変えることです。

すべての日常は本番である

(『驚く力』p40より引用)

「いつか本気を出すときが来るさ」「今は本気を出してないだけ」と思っていたら、何が起きても見流して、聞き流してしまいがちです。でも今こそ本番! と思ったら真剣にいまという時間に取り組めるようになるのではないでしょうか。

以上の3つのコツを参考に、ささやかなことでもいいから新鮮な驚きをもって受け止めてみる。そんなことが、漠然と過ぎ去ってしまう感覚にストップをかけてくれる気がします。

[驚く力]

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