とはいえ自分の感情でもそのまま放っておくべきなのか、そうでないのかは判断に迷います。そこでたとえ気持ちに溺れた状態でも簡単に自己判断できるヒントを、密蔵院住職名取芳彦和尚がおしえてくれました。
あまり親しくない人にも愚痴で言えるようなら、マイナス感情は放っておいてよい低レベル。親しい人になら言えるのであれば、中レベル。聞いてくれる人がいるだけでスッキリします。問題は、誰にも言えず相談もできない高レベルのマイナス感情。
(『気にしない練習:不安・怒り・煩悩を「放念」するヒント 』P95より引用)
つまり親しくない人にも言える程度であれば放っておき、親しい人には言える程度であれば、聞いてもらえばいいということです。
そして問題とされた高レベルのマイナス感情の場合、それが3日続くようなら、その感情を処理するために「自分がなぜそのような感情を抱くのか」を分析するのがよいようです。
過去の記事にもあるように、やはりその感情を薄れさせるためには、感情がわきおこってきた原因をよく理解するために分析する必要があるのですね。
マイナス感情が生まれるときは、同時に不幸を感じるときでもあります。ともすれば被害者意識が強まってしまう、そんなときにこそ思い出したい、こんな格言も教えてくれました。
どんな不幸を吸っても、吐く息は感謝でありますように
(『気にしない練習:不安・怒り・煩悩を「放念」するヒント 』P106より引用)
「キレイな空気を吸って、汚れを吐きだしたい」と思いたいところを、逆に「感謝を吐く」というわけです。心が洗われるような理想的な格言を、もし当たり前のように実践できれば、世界はもっとポジティブなものに変化するのではないでしょうか。
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